所有論

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  • サイズ 46判/ページ数 576p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065342725
  • NDC分類 158
  • Cコード C0010

出版社内容情報

主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放つ!

「ほかならぬこのわたし」がその身体を労して獲得したものなのだから「これはわたしのものだ」。まことにもっともな話に思われる。しかし、そこには眼には見えない飛躍があるのではないか……? ロックほか西欧近代の哲学者らによる《所有》の基礎づけの試みから始め、譲渡の可能性が譲渡不可能なものを生みだすというヘーゲルのアクロバティックな議論までを著者は綿密に検討する。そこで少なくともあきらかにできたのは、「所有権(プロパティ)」が市民一人ひとりの自由を擁護し、防禦する最終的な概念として機能しつつも、しかしその概念を過剰適用すれば逆にそうした個人の自由を損ない、破壊しもするということ。そのかぎりで「所有権」はわたしたちにとって「危うい防具」だという根源的な事実である。主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放ち、未来における「手放す自由、分ける責任」を展望する。

内容説明

「わたしのもの」とはなんだろうか?主体、存在、そして所有…。著者の重ねる省察は、西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束からわれわれを解き放つ!

目次

だれのもの?
所有と固有
ロックの問題提示
所有と労働
糧と労働
身体という生地
法と慣行
関係の力学
所有権とそのあらかじめの剥奪
所有と譲渡可能性
人格と身体の連帯性の破棄
演戯と所有
所有をめぐる患い
解離
清潔という名の強迫
“棄却”から“本来性”へ
直接性をめぐって
空白のトポス?
形式的なものと自己関係性
制度から相互行為へ
“受託という考え方”
“共”の縮滅
共にあることと特異であること
“場所”と“死”と
所有と固有、ふたたび
危うい防具

著者等紹介

鷲田清一[ワシダキヨカズ]
1949年京都生まれ。哲学者。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。大阪大学文学部教授などを経て、大阪大学総長(2007~2011年)。京都市立芸術大学理事長・学長(2015~2019年)。現在はせんだいメディアテーク館長、サントリー文化財団副理事長。医療や介護、教育の現場などに哲学の思考をつなぐ臨床哲学を提唱・探求する。朝日新聞1面に「折々のことば」を連載。『モードの迷宮』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)、『「聴く」ことの力―臨床哲学試論』(ちくま学芸文庫、桑原武夫学芸賞)、『「ぐずぐず」の理由』(角川選書、読売文芸賞)など著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tokko

12
近代の西洋哲学における「所有論」から掘り起こして、「所有(権)」の過剰なまでの主張・行使が見られる現代の新自由主義の世界で、再度「所有」とは何なのかを鷲田さんが問いなおす。もちろん「自由」や「権利」といった近代思想の産物とともに、「所有」も必然的に生まれた概念であるという歴史的背景がありますが、他者を疎外するための「所有(権)」ではなく、「共」へと引き継いでいく義務としての「所有」、託された「物」としての「所有」という視点が提案されている点が興味深い。2024/05/28

Kai Kajitani

10
歴史的な慣習として多様な成り立ちをしてきた「所有」は、近代以降社会の根幹をなす普遍的な権利として、あらゆるところにその影響を及ぼしてきた。その結果人びとの生活を守る盾であるはずの「所有権」が、社会の「よき習い」を破壊するという矛盾がうまれる。本書はこうした近代的所有権を相対化するヒントとして「所有は、それを放棄することによってはじめて可能になる」というヘーゲルの議論に注目する。そして、あるものを誰かから「受託」し「適切に保つ」ことをそのオルタナティブとして提唱する。所有の奴隷にならないための優れた指南書。2024/03/17

たか

6
所有をめぐるロックやヘーゲルを始めとした多様な論者による議論を参照し、現代の所有権のあり方に新しい見方を与える。所有権は自由を支える重要な概念だが、行き過ぎると「所有が主人になって、所有者が奴隷になる」。自らの所有物を「どう扱おうとわたしの自由である」という自由処分権の主張を疑問視し、託されたもの、いわば「当主」としての責任を引き受けているという考え方へとひらく。ひとがもつ才能や知識についても同じ事が言える、という洞察にはなるほど。資本主義やリバタリアニズムを考えるうえで重要な視点を貰えた気がする。2025/04/29

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