講談社文芸文庫<br> ドグラ・マグラの世界 夢野久作 迷宮の住人

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講談社文芸文庫
ドグラ・マグラの世界 夢野久作 迷宮の住人

  • 鶴見 俊輔【著】
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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065342688
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

出版社内容情報

巻頭に置かれるのは、夢野久作が読書界から顧みられることのほとんどなかった1962年に鶴見俊輔が雑誌「思想の科学」に発表した「ドグラ・マグラの世界」である。この評論により、日本の戦後期には忘れられた存在となっていた夢野久作は「再発見」される。
「ドグラ・マグラの世界」の発表がきっかけとなり、鶴見と夢野久作の長男である杉山龍丸の交流が生ずる。やがて杉山龍丸の著書や杉山が編纂した夢野久作の日記などを資料としてじゅうぶんに咀嚼したうえで、鶴見は夢野久作論『夢野久作 迷宮の住人』が書き下ろされる
夢野久作について少年期の鶴見俊輔が出会った夢野久作の『犬神博士』の紹介から、『夢野久作 迷宮の住人』の第一部は始まる。そして『氷の涯』という日本軍のシベリア出兵をモチーフにした作品、さらに異色の長篇推理小説『ドグラ・マグラ』へ。そして、これらの作品が昭和初期の読者にどのように受けとめられたのかと問いが生まれる。
第二部では作家夢野久作の本名である杉山泰道の側からその生涯が辿られる。泰道の伝記的事実の多くは、さらにその長男杉山龍丸の著書によるが、伝記的事実と時代背景を結びつけて読み解くことで、より作品世界に深くわけ入ることができる。
第三部では、夢野作品受容の変遷が綴られる。江戸川乱歩ほか同時代の探偵作家たちにはやはり異形のものとして解されている。しかし年少の読者だった福永武彦や中井英夫たちには強烈な印象が残っていた。敗戦後、占領期に夢野久作が思いおこされることはなかったが、1960年を境にふたたび関心が寄せられるようになり、作品研究・分析が進む。そこで見えてきたものは、中央から遠い地方で、土地の日常言語を駆使して人間の根本問題に迫る、きわめて独創的な作家の姿であった。
本書により、夢野久作というきわめて独自性に満ちた作家に多角的に光が当てられ、読者にとってもそのイメージが鮮明となることが期待される。

内容説明

一九六二年、雑誌「思想の科学」に発表され、埋もれた一篇の怪奇幻想探偵小説が「再発見」される契機となる作品論「ドグラ・マグラの世界」。政客の長男に生まれ、農園経営や僧侶や新聞社勤務等の傍ら執筆に励んだ夢野久作の実像を描き、昭和初期のきな臭い世相と不可分の作品世界の価値を評価した、日本推理作家協会賞受賞の作家論「夢野久作 迷宮の住人」。重層的夢野久作論集。

目次

ドグラ・マグラの世界(世界小説の誕生;民族主義と無政府主義のともにうまれる場所)
夢野久作―迷宮の住人(夢野久作の世界;杉山泰道の生涯;作品の活動)

著者等紹介

鶴見俊輔[ツルミシュンスケ]
1922・6・25~2015・7・20)。哲学者。東京生まれ。15歳で渡米しハーバード大学で学ぶ。在米中にアナキスト容疑で逮捕されたが、留置所で論文を書き上げ卒業。交換船で帰国。戦後、丸山眞男らと「思想の科学」を創刊。京都大学、東京工業大学、同志社大学で教鞭を執る。また、65年、「ベ平連」(ベトナムに平和を!市民連合)を小田実、高畠通敏らと発足。70年、警官隊導入に反対して同志社大学教授を辞任。72年、メキシコのエル・コレヒオ・デ・メヒコで客員教授に就任。79年、カナダのモントリオールのマッギル大学で連続講義を行う。稀代の読書家として文芸評論や書評も多く執筆。82年に『戦時期日本の精神史』で大佛次郎賞、90年に『夢野久作 迷宮の住人』で日本推理作家協会賞、94年に朝日賞、2007年に『鶴見俊輔書評集成』全3巻で毎日書評賞をそれぞれ受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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hasegawa noboru

17
鶴見俊輔に夢野久作を代読してもらった感じ。鶴見俊輔という優れた読み手を通して、夢野久作という作家の主要作品と生涯の全貌が見えて来る。戦前の探偵作家で『ドグラ・マグラ』は八十年代末に映画。化されていて桂枝雀が主演級で演じていたのを見た記憶がある、その程度。自慢にはならないが久作作品は一冊も読んでいなかった。『近世快人伝』論じて<いきがいの中心に、殺し殺される人間の現実をおいて、へこたれずにその中に入ってゆくという姿勢>が快人共通の条件であるとし<人間は勝手に理屈をつくって他の人間を殺す、その現実をうけいれて2024/01/31

トクナガ

1
ドグラマグラの内容についての解釈や解説が書いてあるのかと思って読んだが、そういった点については薄く夢野久作の経歴や周辺人物、他作品のあらすじなどが本の大部分を占めていた。様々な引用でそれっぽくお茶を濁された感じがしてタイトルにそぐわないような気がする。「ドグラマグラの世界」というより「夢野久作の世界」にした方がタイトルとしてはしっくりくると思う。夢野久作の生い立ちについて知れたというのは面白かったし、夢野久作の他の作品は読んでみたくなったが、この本については読んでも読まなくても良かったかなという感じ。2024/01/26

hidehi

0
「ドグラ・マグラ」、今まで確か三回読んでいて、最初は茫然、二回目は面白く読んで、三回目は鼻白んだ記憶がある。その三回目が最後の読後感なわけで、あまり読み返そうとは思っていなかったのだが、あの鶴見俊輔がこれだけの興味を示すのであれば、とまた読んでみようという気になった。本文だけを読むのも面白いが、背景を知ったうえで読んでみるのもまた興味深い。2024/02/09

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