出版社内容情報
落語ミステリ界にすべてが謎の作家、無門亭無舌が登場!
道楽坊主の無門道絡と愉快&痛快に古典落語の世界を巡る、謎解き江戸ストーリー!
江戸時代のシリアル・サイコ・キラー、辻斬りにまつわる怪異談を一席ーーーー「首屋斬首の怪」
『饅頭怖い』には四十年後の恐ろしい後日談というのがございましてーーーー「毒饅頭怖い――推理の一問題」
小心者の間男と肝の据わった間女の一席、お付き合い願いますーーーー「紙入れの謎一寸徳兵衛」
ふたなりというものは、本来が神仏に繋がる尊いものなのでございますーーーー「ふたなりの首吊り人」
江戸の昔もお金と暇を持て余したご仁が、おかしなお稽古に勤しむということがありましたようですーーーー「真景 よろず指南処 坊主の企み」
内容説明
江戸時代のシリアル・サイコ・キラー、辻斬りにまつわる怪異談を一席「首屋斬首の怪」。『饅頭怖い』には四十年後の恐ろしい後日談というのがございまして「毒饅頭怖い―推理の一問題」。小心者の間男と肝の据わった間女の一席、お付き合い願います「紙入れの謎一寸徳兵衛」。ふたなりというものは、本来が神仏に繋がる尊いものなのでございます「ふたなりの首吊り人」。江戸の昔もお金と暇を持て余したご仁が、おかしなお稽古に勤しむということがありましたようです「真景 よろず指南処 坊主の企み」。名作古典落語をベースにすべてが謎の作家・無門亭無舌が描く、愉快痛快奇天烈な江戸噺五篇!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
95
道絡和尚ふたたび。いやあ新刊を読めて嬉しい。こちらは古典落語(詳しくないけど)のミステリ的改作の作品集。何やら著者名が前と違うようだが、それは気になるまい。2篇を既読だったが、それも気になるまい。読み始めると落語の世界観いっぱいの語りにおふざけノリが乗っかかり、愉しい。オチの後にはミステリのオチに思わずニヤリ。さらに笛流博士に古論坊なんてのも著者らしい。そして圓朝の「死神」ではマルチ解決。7番目のは思わず、えっとなるが註記を読んで合点。それに続く無舌さんの解題も興味深く読めた。圓朝の禅の極意になるほどと。2023/12/10
rosetta
30
★★★☆☆表紙とタイトルから予想される通りの本。内容も予想通りのレベルの面白さ。まあ、落語好きの琴線には触れるな(笑)2024/02/04
遊々亭おさる
19
「お前、平田だろ!」プロレスファンしか分からぬ迷言が頭に浮かぶ落語改作ミステリ集。覆面を被っていても正体がバレバレな書名と装画に講談社と喧嘩したかと要らぬ心配をしてしまう一冊。と書きつつ正体は東野圭吾でしたと言われたらとんだ赤っ恥ですが。人気歌手が題材にして落語に興味の無い人にも興味を持って貰えるきっかけになった『死神』の多重解決ならぬ多重オチは、落語に興味の無いミステリ小説ファンにも興味を持って貰えるきっかけになるか。しかも、人気噺を繋ぎ合わせた落語メドレーのような楽しさ付き。登録数の少なさが勿体無い。2024/02/04
だるま
17
『落語魅捨理全集』の第2巻。第1巻と著者名が違うけど同一人で、何故ネームバリューのある名前から変えたのか意味不明。説明が一切無い「読者置いてきぼり」の姿勢が、この著者にトラブルが絶えない元凶だと個人的に思っている。尤も、作品自体は傑作で、落語とミステリが好きなら一層楽しめるだろう。アンソロジー収録の3作と雑誌掲載の未読の2作。落語そのものがミステリになっているので、途中で笑える小ネタを入れつつ名作落語にミステリのオチを付ける高度なテクニック。『死神』が多重解決ミステリに変身するとは畏れ入った。面白かった。2024/01/09
pagrus55
2
★★★☆2024/02/04