内容説明
現実のものは―鉱物でも動物でも宇宙でも―定量的には実数で表わされる。交流理論では確かに指数関数として複素数が利用されるが、現実に実験装置にかかり、測定される値は実数である。一方では、後に量子力学が成立し、ものの状態(もちろん状態そのものは見えない。見えるのは固有値やその平均である)が複素数で表わされるようになった。その他スピン・マトリックスの中の要素にもiは登場する。さらにイギリスの宇宙物理学者ホーキングによると、宇宙開闢時の時間は複素数的なものであるという。いったい虚数とは、数学という閉じ込められた箱の中にだけあるものなのか。それとも現実の「どこか」に存在しているのか?虚数が実感できる本。
目次
第1章 ネもハもない数?
第2章 iは魔術師
第3章 iと振動のつよいきずな
第4章 面倒な計算は不要
第5章 物質の中で
第6章 量子の世界のi
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