出版社内容情報
がん治療の専門医である近藤誠医師は、「がん放置療法」や「抗がん剤は使うな」と逆張りを主張する異端者として扱われがちだが、実は違う。
今では標準治療となって多くの患者の命を救っている「悪性リンパ腫」のCHOP療法や、「乳がん」の乳房温存療法を日本に初導入したのは近藤医師に他ならない。
近藤医師は「延命効果があり」、「患者の生活の質を下げない」ことを何よりも大切に考え、医学的真実から目を逸らすことなく治療の有効・無効を誠実に判断してきたに過ぎない。つまり、医療ビジネスや自らの出世重視ではなく、誰よりも患者ファーストな医師であったと言える。
今までの著書では、必要のない医療によって余命を縮めた方のエピソードは詳しく掲載されてきたが、近藤医師が勧める、QOLを下げず、延命効果がある生き方を選んだ患者さんのエピソードはそれほど詳しく紹介されてこなかった。
本書では病院でがん宣告をされ、近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来を訪れ、医学的に証明された「延命効果」「生活の質を下げない治療」を自ら選択した51名の患者さんの証言をお届けします。
彼らは医師たちが宣告した「余命宣告を超えて生きています」。
本書は、患者数が多い「がん種」を網羅するよう努め、これまであまり紹介してこなかった「抗がん剤で治る可能性のあるがん種」の血液がん、精巣腫瘍、小児がんも取り上げました。本書の近藤誠医師による解説部分は『「延命効果」「生活の質」で選ぶ。最新 がん部位別 治療事典』(講談社)の要約です。
内容説明
今日の標準治療である乳がん「乳房温存療法」悪性リンパ腫「CHOP療法」を正式に日本に初導入したがん治療専門医が勧める、延命効果のある治療法。
目次
序章 「標準治療」にとらわれず安全に長生きできる治療を選ぶ(治療方針を決める権利)
1章 がんをよく知り、自分に合った治療法を見つける(がん入門;手術のリスク;抗がん剤のリスク;がん新薬の実力;がん免疫療法;放射線治療;がん放置療法;緩和ケアの力;代替療法)
2章 「抗がん剤」で治るがん種 治らないがん種 再発・転移 がん種別 患者51人の証言(「抗がん剤」で治るがん種;「抗がん剤」では治らないがん種;再発転移)
著者等紹介
近藤誠[コンドウマコト]
1948年10月24日生まれ。2022年8月13日逝去。1973年慶應義塾大学医学部卒業後、同医学部放射線科に入局。79~80年、アメリカへ留学。83年から同放射線科講師を務める。96年に刊行した『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋)で抗がん剤の副作用や、拡大手術などがん治療の問題を率直に指摘し、医療の常識を変える。2012年、第60回菊池寛賞を受賞。13年、東京・渋谷に「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」を開設。14年、慶應義塾大学を定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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