出版社内容情報
「天才」と呼んだ瞬間に見えなくなる、本当のすごさがわかる!
絵画・彫刻・建築・土木・軍事……多岐にわたるその仕事は、しかしほとんどが未完に終わった。
彼が生きた同時代において、その名声はかならずしも高いものではなかった。
後世にも驚異をもたらすその着想は、実は彼一人の独創ではなく、先達の知見を踏まえてのものだった。
では「天才」というのはまったくの虚像だったのか?
いや、そうではない。
現代の美術史研究による精緻な分析によって、まったくあらたな、一人の類い希なる表現者の姿が立ち上がる!
「フレスコ画を描かない画家」だったということにはじまり、ルネサンス期のイタリア各地を転々とする、苦闘と挫折に満ちた創作の人生を追いながら、神格化されたレオナルド像の向こうにある、真価を見いだそうとする試み。
夢想家〈ファンタジスタ〉レオナルド・ダ・ヴィンチの実像をたずねる、スリリングで発見に満ちた探究の美術史!
*本書の原本は、2003年に角川書店より『レオナルド・ダ・ヴィンチという神話』として刊行されました。
【本書の内容】
序 章 神格化されたレオナルド
第一章 フレスコ画を描かない画家
一 システィーナ礼拝堂の壁画に参加しなかったレオナルド
二 ヴェロッキオ工房で修業したこと、しなかったこと
三 超えられない先輩ボッティチェッリ
四 ≪東方三博士の礼拝≫―先達への挑戦
第二章 新天地ミラノでの活動
一 ミラノ着任の経緯
二 素描リストの意味
三 技師・発明家・建築家としての真価
第三章 宮廷芸術家の立場と活動
一 舞台美術家としてのレオナルド
二 音楽家・楽器製作者としてのレオナルド
三 スフォルツァ騎馬像制作
第四章 最後の晩餐
一 ついに勝ち得た最大の好機
二 ドラマの表現を完成させたレオナルド
三 成功と悲運
第五章 夢ファンタジスタ想家レオナルド
一 フィレンツェ帰還
二 ≪ジョコンダ(モナ・リザ)≫と晩年のレオナルド
三 絵画による世界の完全な視覚化を目指して
参考文献・図版出典一覧
図版目録
あとがき
内容説明
絵画・彫刻・建築・土木・軍事…多岐にわたる構想のほとんどは未完に終わった。驚異的な着想は実は独創ではなかった。だが、「万能の天才」伝説の向こうには、ルネサンスという時代を突き抜けようと苦闘した、類まれなる表現者の姿が確かにある!名作の細部や素描などを精緻に分析し、夢想家レオナルドの実像を描き出す、スリリングな美術史探究。
目次
序章 神格化されたレオナルド
第1章 フレスコ画を描かない画家
第2章 新天地ミラノでの活動
第3章 宮廷芸術家の立場と活動
第4章 最後の晩餐
第5章 夢想家レオナルド
著者等紹介
片桐頼継[カタギリヨリツグ]
1957‐2006年。岐阜市生まれ。武蔵野美術短期大学美術科卒業。学習院大学大学院美学美術史専攻博士後期課程を満期退学(その間にローマ大学留学)。実践女子大学文学部美学美術史科教授。専門はイタリア・ルネサンス美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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