出版社内容情報
この法則を知らずして、資本主義、地球温暖化問題、人類の未来を語ることなかれ。
「世の中には、ある一方向にしか動かず、『絶対に』元に戻せないことがある」。
たとえば、コーヒーにミルクを入れてかき混ぜると、コーヒーミルクができて、その後再びコーヒーとミルクに分かれることはない。
たとえば、熱いコーヒーをそのままテーブルに置いておくと、冷めてしまう。
たとえば、コーヒーを床にこぼしてしまうと、元のカップに戻すことはできず飲むこともできない。
こうした一見「当たり前のこと」は、じつは「エントロピー増大の法則」という物理法則で説明することができる。
この「エントロピー増大の法則」は、数多ある物理法則のなかでも、どんな時、どんな場所でも成り立つ「別格の」法則。私たちの生き方、社会、そして宇宙を支配する法則なのだ。
なぜ、経済が成長すると格差が広がるのか?
なぜ、SDGsはうまくいかないのか?
なぜ、温暖化が大きな問題なのか?
その答えは「エントロピー増大の法則」を知ればわかる。
今日の情報科学の発展にも寄与した法則を理解するための最適の教科書。
内容説明
この法則を知らずして、資本主義、SDGs、温暖化問題、そして人類の未来を語るなかれ。
目次
1 エントロピー事始め(科学法則を知ることの意義;当たり前の法則;バラバラにしたものを元に戻すのは大変;エントロピーは必ず増大する)
2 情報エントロピーとは何か(偶然か必然か;サイコロ;コインの表・裏;シャノンの情報エントロピー)
3 物質界におけるエントロピー(コイン投げの復習;気体分子の振る舞い;気体分子の運動エネルギーは温度で決まる;気体分子はどのような運動エネルギー分布を取るか―ボルツマン分布;熱力学が教えてくれること;エネルギーは保存される(熱力学第1法則)
熱力学的なエントロピー
熱力学第2法則
熱力学第2法則はどんなときに現れるか)
4 エントロピーの法則からわかる私たちの未来(私たちが拠り所にできる真理;無秩序とは;時の矢;エントロピー増大で世界は破滅に向かう;生命活動とエントロピー;なぜ自由と平等は両立しないのか;エントロピーが増大し続ける現代社会;私たちはエントロピー危機を乗り切ることができるのか;先人たちが語ってきたこと;私たちは科学の法則から逃れることはできない;SDGsでは解決できない理由;救いは精神的エントロピー低下にある)
著者等紹介
平山令明[ヒラヤマノリアキ]
1948年、茨城県生まれ。東京工業大学大学院修了後、ロンドン大学博士研究員、協和〓酵工業株式会社東京研究所主任研究員、東海大学開発工学部教授、東海大学医学部教授、東海大学先進生命科学研究所所長・特任教授などを歴任。理学博士。現在のおもな研究課題は、より効果的でより安全な医薬品の開発、人間のQOL向上につながる有用物質の探索・創製(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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