出版社内容情報
ウクライナ戦争開始の1ヵ月半後、ヒトラーの独ソ戦を描いた小説『同志少女よ、敵を撃て』が本屋大賞を受賞し、ベストセラーとなった。我々は戦争を嫌悪しながら、『宇宙戦艦ヤマト』『風の谷のナウシカ』『進撃の巨人』『鬼滅の刃』などのマンガ・アニメから小説『永遠の0』まで、悲惨な戦争を享受している。ナチスドイツ、原爆、プーチンの戦争、安倍元首相暗殺事件など現実の暴力・戦争を多様な文芸作品を通して分析し、読み解いていく。批評界の俊英が放つ、新時代の「戦争」論!
内容説明
ウクライナ戦争と安倍元首相銃殺事件をつなぐ線に目をこらしながら、『同志少女よ、敵を撃て』『進撃の巨人』『鬼滅の刃』『はだしのゲン』『黒い雨』などフィクションの深層を分析、娯楽化する現実政治の病巣の根源に肉迫する。「復讐の連鎖」を断ち切る道を真摯に探る、気鋭が真正面から挑んだ骨太の本格批評!
目次
第1章 二つの戦争のはざまで―『同志少女よ、敵を撃て』とウクライナ戦争(戦争をめぐる奇妙な風景;双子の戦争―独ソ戦とウクライナ戦争;少女狙撃兵の視角/死角 ほか)
第2章 「半人間」たちの復讐―巨人たちは屍の街を進撃するか?(三人の復讐者は、三発目の原爆をゆるすか?;「あなた、ころしたくないの?」;「ギギギ」の暴力論 ほか)
第3章 復讐戦のかなたへ―安倍元首相銃殺事件と戦後日本の陥穽(あなたは、なにを見ながら撃ったのか?;撃った者と撃たなかった者;復讐の抑圧―アメリカ/アジア/特別部隊 ほか)
著者等紹介
高原到[タカハライタル]
1968年、千葉県生まれ。京都大学文学部社会学科卒業。2015年、「ケセルの想像力」で第59回群像新人評論賞優秀作を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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