出版社内容情報
40代の一人息子、秋之の結婚相手を探すため、親の婚活パーティにせっせと通う米倉留子。
50間近の一人娘、香奈枝に婿をと、やはりパーティに顔を出した川野幸三。
だが、ふたりにはそれぞれに秘密があった――。
現役看護師が鋭く世相をえぐる、変化球「婚活」小説!
内容説明
一人息子に嫁を探すため、親の婚活パーティにせっせと通う米倉留子。やはり一人娘に婿をと顔を出した川野幸三。見合いの約束をした二人だが、実はそれぞれに別の目的があり、結婚話は思わぬ展開に―。子育て、介護、高齢者の暮らし。現代の悩みに突破口を探す、前代未聞の「縁結び」小説。(文庫書下ろし)
著者等紹介
小原周子[オハラシュウコ]
1969年、埼玉県生まれ。春日部准看護学校卒業の現役看護師。2017年、「ネカフェナース」で第12回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し、受賞作を改題した『新宿ナイチンゲール』を’18年に刊行してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mint☆
97
婚活女子の話かと思いきや息子のために嫁を探す、母親の婚活の話でした。しかも状況が普通ではなくかなりぶっ飛んでる!こんな条件じゃ相手が気の毒だと思いながら読み進めると、留子さんがこの人!と見つけたお相手もまた違った思惑で婚活していてもう訳がわからなってくる。登場人物たちは先のことは無視して今現在の自分のことしか考えていないから、このまま進んでこの先どうなるの?着地点はどこー?と先が気になって仕方ない。さらに読み進めるとラストにももう一癖ある!やっぱり親はどんな子供でも可愛いんですねぇ。2023/09/17
Karl Heintz Schneider
39
35歳の息子のために婚活パーティーに通う70歳の米倉留子。49歳の娘のために婚活パーティーに通う79歳の川野幸三。とあるパーティーで出会った二人はお互いを理想の相手だと認識する。でも彼らには子供の婚活以外のある思惑がそれぞれあって。まずいい歳した子供の婚活に親が乗り出すこと自体に違和感があり。それ以上に二人の思惑は荒唐無稽すぎるのだが、一方リアリティもほんのちょっと含んでいたりして。小原周子さんは初読みの作家さんだが面白かった!読書メーターでの評価は辛口が多かったけれど、私は嫌いじゃない、むしろ好きかも。2023/12/16
のんちゃん
34
息子の嫁探しに親同士の婚活パーティーに勤しむ留子。そこで娘の婿探しにきていた幸三と出会う。二人は子供達の見合いを約束するが、親同士には互いに別の目的があった。帯に「あなたはどう受け止めますか」とあるが、私は二人には本当に真剣に親婚活をしている人に謝罪してもらいたいし、各々の目的達成なんてできるわけがないと言ってやりたい。それが各々の置かれた状況の果ての決断だとしても、浅はかだ。私自身がその立場でないからわからないのかもしれないが、やはり、未来可能性をきちんと考えるべきだ。どう考え直しても、この二人はダメ。2023/12/08
mayu
34
初読み作家さん。子供の為に親が婚活する親婚活。この本はただの親婚活ではなく一筋縄にはいかない親の婚活物語。序盤から驚かされ、困惑しながらそれぞれの歪んだ思惑が混ざり合い、更に歪な形へと向かっていく。老後への不安が行動を加速させ、ぶっとんだ展開に読むのがやめられない。ラストへ向けて見えてくる留子さんの本音に、そうかそうだよね。わかった上でそうなっていたんだよねとズシンと重さがのしかかる。雨降って地固まるという言葉がぴったりな一冊。2023/09/26
遙
23
喜劇のような表紙の印象とは裏腹に、シビアな状況下に居る留子さんの葛藤と苦労の婚活物語であった。 介護、高齢者暮らし、恵まれた人生にあった筈の彼女が、不運の連続に遭ってしまった経緯、その辛さは計り知れません。 一方、働かない50の娘と年金暮らしの幸三。今の社会に多く存在する構図の親子関係を垣間見ると、子育てに手を抜いてはならないと思い知らされます。 訪問看護師の人柄や裏事情など、 とても笑って読んでいられない人間ドラマでした。 明日は我が身と、これを読んで感じる方々はどれ程居るのかな・・・2023/10/13
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