内容説明
21世紀に沸く平成日本。海外逃亡していたはずの極左の最高幹部が突然仙台に現れ、公安に衝撃が走った。身柄の移送を担当した公安一課の海老沢は、警察官人生最大の痛恨の失敗を犯す。一方、捜査一課の高峰は目黒の空き家で殺害された元代議士秘書の身辺を探る。被害者の経歴には6年間の不自然な空白があった。新聞記者からの思わぬ情報。死の床にある元刑事の父の言葉。そして海老沢に下った極秘の特命捜査―事件の様相は一変する。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年茨城県生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞。2013年より専業作家となり警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
221
公安一課海老沢と捜査一課高峰のコラボが気持ち良い。でも、極左とか学生運動とか、まだ引きずってる輩が残ってることに戸惑います。時代が逆戻りしないことを祈ります。さてさて、2001年途中の旅。二人の友情は、まだ続きそうです。2023/09/03
starbro
191
堂場 瞬一は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。公安一課VS捜査一課 大河シリーズ「日本の警察」平成ミレニアム編ということで読み応えはありましたが、テーマもタイトルも微妙な感じでした。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=00003774562023/09/04
いつでも母さん
181
公安の誇りかぁ・・公安が絡むと言うだけで怖いと感じてしまうのは小説の読み過ぎか?(汗)時代と共に警察も変化するのだろう。これは『日本の警察』平成編の第2弾になるのかな。30年近く逃亡していた指名手配犯を仙台で身柄を拘束ーそこから始まる今作は、東京に移送する新幹線車内で服毒自殺ってあり得るの?メンツ潰れるよね、あぁ・・海老沢。そして、遂に元特高の父親の死。このシリーズはまだまだ続きそうだ。2023/08/21
KAZOO
117
堂場さんの公安一課と捜査一課の人物が主人公となるもので初お目見えです。事件は左翼の大物が海外逃亡していたものと思われたが仙台で捕縛されます。その移送中に新幹線内で自死されてしまいます。さらに目黒で国会議員の元秘書であった人物が死体で発見されます。この二つの事件を二人の主人公が捜査していく様子が交互に示されます。さらに公安の刑事は別の特命操作を命ぜられます。このように様々な事件がからむのですが最後はうまくまとめてくれます。新しいシリーズとなるのでしょうか?2023/11/18
あすなろ
115
堂場氏日本の警察シリーズ・平成編第二巻。このシリーズは好きで追いかけている。時は平成も半ばともなり、シリーズ最初の世代はもう故人若しくは故人となろうとしている。そんな中、オウム事件も過ぎ、公安の有名無実化が本人達にも出てきているなか、かつての過激派をテーマに取り描かれる。揺れる登場人物達の心と公安。この後も続くのであれば、この公安がどう変わったを書いて頂き、それを知りたいものだと思う。何にせよ、このシリーズに関しては堂場氏の筆の赴きがチト違う様で、なかなか興味合間って僕は愉しみ読んでしまっているのである。2024/01/24