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出版社内容情報
複雑系は、科学が築きあげてきた「近代のパラダイム」を根底から覆した。人間の予想とはかけ離れた、しかし自然のなんらかの真理を表している複雑系が、科学の王道からこぼれ落ちた人々によって発見されていくさまを物語仕立てで描き、複雑系の本質を誰にもわかりやすく解き明かす!
内容説明
複雑系の科学は「第2の科学革命」である。分子から原子へ、さらに素粒子へ―。対象を究極まで切り刻む「近代のパラダイム」は科学に「革命」をもたらし、人類はその成功に酔ったが、宇宙や生命の謎は、なおも解けないままだった。そこへ発見されたのが、複雑怪奇で予測不可能な、従来の科学観をすべてくつがえす一連の現象だった。「第2の革命」の物語を一から読める「複雑系」入門!
目次
第1章 近代のパラダイム
第2章 カオス
第3章 フラクタル
第4章 ライフゲーム
第5章 カオスの縁
第6章 生命
第7章 経済・歴史・社会
著者等紹介
金重明[キムチュンミョン]
1956年、東京生まれ。1997年『算学武芸帳』(朝日新聞社)で朝日新人文学賞。2006年『抗蒙の丘―三別抄耽羅戦記』(新人物往来社)で歴史文学賞、2014年『13歳の娘に語るガロアの数学』(岩波書店)で日本数学会出版賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ショア
26
人類は数学という分厚い書物の第一章の後の第二章非線形の初めの部分に差し掛かっただけである。複雑系の化学を初心者にもわかりやすく紹介。カオス、フラクタル、オートマトン、カオスの縁など数学科学的な複雑系の謎から、生命の神秘まで。人のタンパク質の組み合わせは10の390乗。三千世界や劫のオーダーではない世界が人体の中にある。 難解ではあるが文章はわかりやすく読み物としてとても面白かった。この宇宙では複雑系の中から意図的ではなく創発的に何か新しい方向が生まれる。それらはまだ人類が説明できる領域にない世界。wkwk2023/10/22
えも
21
先日、昔の友人たちとの飲み会の席で、うっかりシダのフラクタル性について熱く語ってしまい、その後すぐに、この本の広告がFacebookに出てきて、ちょっと気になっていたところ、図書館の新刊コーナーで発見▼カオス、フラクタル、ライフゲームと、懐かしい言葉が並ぶ。そして説明が分かりやすい。著者の熱意も伝わってくる▼思わずスキマ時間に一気読みしてしまいました♪2023/08/21
Fondsaule
17
複雑系の科学は「予測不可能」で「非線形」な科学。 自然界にもありながら、なのに。2023/09/27
ピンガペンギン
16
「カオスなSDGs」に複雑系のことが出てきて興味をもって読んでみた。やはり難しかった。著者はこのテーマに昔から関心を持ち魅了され、小説家でもあるので、自分の小説には複雑系の科学を反映させているという。本筋と関係ないが、ワトソン、クリックって性格悪いわー。旅する数学者エルデシュのエピソードも面白かった。そして、著者は、温暖化も新たなイノベーションで解決すると考えている、という。(P230)2023/10/07
美東
15
入門書なのでサクサク読めた。第四章までは、カオス、フラクタル、ライフゲームについてのわかりやすい図版あり丁寧な解説でした。が、第五章以降は一変して、主題である「複雑系」そのものについてよりも、その研究者の紹介に焦点が移ってしまった感があり、ちょっと残念です。2023/11/19