講談社選書メチエ<br> 精読 アレント『人間の条件』

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講談社選書メチエ
精読 アレント『人間の条件』

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  • サイズ 46判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065314289
  • NDC分類 311.1
  • Cコード C0310

出版社内容情報

ハンナ・アレント(1906-75年)の『人間の条件』(英語版1958年)は、「人間」とは何か、とどまるところを知らない科学と技術の進歩は人間をどう変化させるのか、といった課題を考える際に不可欠の書として多くの人によって手にされてきた。待望の新訳(講談社学術文庫)刊行に際し、その訳者を務めた第一人者が決定版となる解説書を完成。定評ある『精読 アレント『全体主義の起源』』(講談社選書メチエ)の姉妹篇。『人間の条件』全6章のエッセンス、その背景や可能性を徹底解説!

【本書の内容】
序 章 マルクスと西洋政治思想の伝統
1 古典的政治哲学の成立
2 ソクラテス
3 存在への問いとプラトン
4 近代の転換
5 自然と人間の物質代謝

第I章 観照的生活と活動的生活
1 アウグスティヌスと古代世界の没落
2 不死と永遠

第II章 公的なものと私的なもの
1 アテナイにおける古典的ポリスの成立
2 古代における公私の区分
3 社会的なるものの勃興
4 公的領域の光の喪失
5 私有財産の意味
6 公私の区分の意味

第III章 労 働
1 「労働」と「仕事」
2 「世界」と労働、仕事の位置
3 人間の生と労働の意味
4 労働と生産力
5 私有財産の源泉としての労働
6 労働の労苦からの解放は何をもたらすか
7 大衆消費社会という不幸

第IV章 仕事と制作
1 産業革命における「消費」の無限拡大
2 制作過程の変容
3 功利主義批判
4 工作人と交換市場
5 世界の永続性と芸術

第V章 行 為
1 第二の「出生」
2 行為と人間事象の脆さ
3 ギリシア人の解決としてのポリスと「権力」概念
4 ヘーゲルからマルクスへ
5 行為の代替としての制作
6 人間関係を修復する「奇蹟」としての「許し」
7 行為の「予測不能性」に対する救済としての「約束」
8 自然過程への「行為」の介入

第VI章 近代の開幕と活動力のヒエラルキーの転換
1 近代の起点
2 ガリレオによる望遠鏡の発明
3 近代数学と経験からの解放
4 デカルトの懐疑
5 デカルト的内省と共通感覚の喪失
6 観照と活動の伝統的なヒエラルキーの解体
7 制作から過程へ
8 「工作人」の敗北と功利主義の限界
9 労働と生命の勝利
10 展 望

内容説明

二〇世紀を代表する思想家ハンナ・アレント(一九〇六‐七五年)。その主著は『人間の条件』(英語版一九五八年)にほかならない。科学と技術の進歩は世界大戦の惨禍をもたらす一方で、地球の外にまで人間の活動領域を拡大する。「観照的生活」から「活動的生活」への移行を歴史的に跡づけ、「労働(labour)」、「仕事(work)」、「行為(action)」の分類に基づいて、世界から疎外される「人間」の行く末を展望する古典―待望の新訳を成し遂げた第一人者が全六章を徹底解説!

目次

はじめに―地球からの脱出と「人間の条件」の変容
序章 マルクスと西洋政治思想の伝統
第1章 観照的生活と活動的生活
第2章 公的なものと私的なもの
第3章 労働―自然と人間の物質代謝
第4章 仕事と制作
第5章 行為
第6章 近代の開幕と活動のヒエラルキーの転換

著者等紹介

牧野雅彦[マキノマサヒコ]
1955年、神奈川県生まれ。京都大学法学部卒業、名古屋大学大学院法学科博士課程単位取得。名古屋大学助教授、広島大学法学部教授を歴任。現在、広島大学名誉教授。専門は、政治学、政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フム

37
新訳『人間の条件』を手がけたアレント第一人者による解説。人間は様々な能力、活動を通じて地球上の自然を作り変えきた。近代にはじまる自然科学と技術の発展、それをもたらした人間の能力とはいったいどのようなものなのか。それは人間とその生のあり方をどのように変えるのか。これらの問題にマルクスとは違った展望を見出そうとすることが人間の条件を貫く主題だという。本書の解読もマルクスの著作から多くの引用があって、それを読むのに苦労した。もう一度人間の条件を読み直してみたい。 2024/02/10

原玉幸子

16
NHK『働くおじさん』を観ている時に「働くとは」など考えもしませんでした。労苦の喜び? マルクスが資本主義の仕組みを解き、アレントが大量生産の中でマルクスの論説を深めたと感覚的に理解していたのですが、『人間の条件』での労働(観)は、彼女が語る近代哲学なだけ(政治も哲学であるとは!)で、私が感じたかった、現代の「ゴースト・ワーク」との繋がりはありませんでした。「ゴースト・ワーク」に哲学はなく、あるのは唯現実だけなのだとすれば、「古さ」に彼らを連れて戻るべき?(◎2023年・夏)2023/07/08

たまぞう

3
精読とあるものの、アーレントの言葉をアーレントの言葉で解説している(つまり解説になってない)ところが多いように感じた。また、想定する読者像や執筆の経緯、著者と『人間の条件』(以下HC)との出会いといった、本書の立ち位置についての前置きがどこにもない。そのため、HCをこれから読む/すでに読んだ一般読者むけに噛み砕いて講義する入門書というより、著者自身のための読書ノートという印象を受けた。一方で、HCの引用時に牧野訳と志水訳の両方の参照ページを載せているのは親切。また、志水訳の誤りの指摘・修正も参考になった。2023/08/30

tharaud

3
読み応えがあった。『人間の条件』は「西洋政治哲学の批判的検討」だったのか。ギリシア哲学、ニーチェ、そしてマルクスの理解が十分ではない私にとってはとてもよいガイドだった。一方で、われわれの人生はそんな高級なものではないし、それでもよいという感覚が首をもたげてもきた。2023/06/20

遊動する旧石器人

3
2023年3月7日第1刷発行。まだ牧野さん訳の『人間の条件』は読んでいないが、志水速雄さん訳の方は読了済みなので、更に『人間の条件』の理解を進めるために購入した。個人的には、「労働」と「仕事」の対比部分が好きなのだが、古代以来の「仕事=制作」の優位性が近代において失墜する過程をトレースするのが難解だと感じていた。その点は、本書を読了してもまだきちんと理解できたとは思えない。そこらは、功利主義の理解が足りないことが一因だと感じる。その復習も要するが、未完の続編である『精神の生活』も早く読みたくなった。2023/05/24

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