“絶望”の生態学―軟弱なサルはいかにして最悪の「死神」になったか

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“絶望”の生態学―軟弱なサルはいかにして最悪の「死神」になったか

  • 山田 俊弘【著】
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  • 講談社(2023/04発売)
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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065311332
  • NDC分類 468
  • Cコード C0045

出版社内容情報

人間は、意図せず大量絶滅を引き起こそうとしている。その絶望的状況が明らかになってきた。生物多様性の喪失と大量絶滅の先に、希望はあるか? 絶望的な未来を回避する術はあるか?――その答えは生態学が教えてくれる。

●絶望的な事実
2022年、世界人口が80億人を超えた。人間は生物多様性の恵みを享受し、数を増やし続けている。

一方で、人間以外の生物の多くは個体数を減らしている。3万種以上の動植物が絶滅危惧種と認定されており、絶滅リスクが未評価の種までふくめると、絶滅危惧種の数は100万を超えるという推定もある。この生物多様性の喪失は、人間が引き起こしている。しかも、現在進行中の生物多様性の喪失は史上最大級の大量絶滅につながる、という。

この絶望的な事実は、絶滅危惧種だけの問題ではない。

●避けなければならない悲劇
すべての生物は相互に影響し合いながら「生態系」を形成する。小さな綻び(種の絶滅)が生じたとき、運が悪ければ生態系全体が崩壊する。一種の絶滅が生態系を崩壊させなかったとしても、多くの種の急速な絶滅はさらなる絶滅を招き、人間もこの連鎖に巻き込まれる。

たとえば、昆虫は植物の送粉を担い、分解者として働く。その経済効果は80兆円に上るという試算がある。また、仮に昆虫が地球から消えれば、人間は数ヵ月と生き延びることができないだろう。

生物多様性の喪失に続く大量絶滅は、避けなければならない悲劇だ。

●なすべきこと
大量絶滅を避けるには、効果的な対策を考案し実践しなければならない。そのために、生態学にもとづき、なぜ絶滅が起きているか理解する必要がある。まずなすべきは、「学ぶこと」だ。

本書の目的は、人間活動がいかにしてほかの種にダメージを与えるかを明らかにすること。人間のどの活動が、なぜ多くの種の個体数を減らすのかを示す。
そして、どんな種が人間活動の影響を受けやすいかを学ぶ。たったひとつの保全活動ですべての種を守ることはできない。保全対象の種に最適な対策を検討する必要がある。

本書は絶望的な事実を示す。しかし、絶望では終わらない。具体的な事例を交えて、人間活動がほかの生物におよぼす影響と、絶滅危惧種の保全の意味(希望)を解説する。学び続ける意志がある限り、絶望は私たちに追いつけない!

●おもな目次
序章 環境問題の元凶は人口増加か?
第1章 環境問題の構造
第2章 4000倍 vs. 6分の1
第3章 4つの禍い
第4章 マンモスが絶滅した理由
第5章 メスだけになったキタシロサイ
第6章 ラッコが消えれば海も死ぬ
終章 絶望するしかないのか?

内容説明

現在、野生生物たちは大きな危機―地球史上6度目の大量絶滅―に直面している。さまざまな人間活動(土地改変、乱獲、外来種問題、気候変動など)が、彼らを追い詰めている。生態学者がその事実を明らかにしてきた。しかし、絶望してしまうのは、まだ早い。絶望的事実を直視することが、希望の種をまくことにつながる。生物多様性の危機を把握し、生物多様性の保全を進めるために、生態学が、そして本書が間違いなく役に立つ。

目次

序章 環境問題の元凶は人口増加か?
第1章 環境問題の構造―“共有地の悲劇”は回避できない!?
第2章 4000倍vs.6分の1―生物多様性の不都合な真実
第3章 4つの禍い―巨大隕石を凌駕する人間活動の中身とは?
第4章 マンモスが絶滅した理由―どんな種が人間活動の影響を受けやすいのか?
第5章 メスだけになったキタシロサイ―個体数の少ない集団は絶滅しやすいのか?
第6章 ラッコが消えれば海も死ぬ―生物多様性が減少すると生態系はどうなるのか?
終章 絶望するしかないのか?

著者等紹介

山田俊弘[ヤマダトシヒロ]
1969年生まれ。1996年、大阪市立大学大学院生物科学研究科博士課程修了。博士(理学)。広島大学大学院統合生命科学研究科教授。幼い頃からの生き物好きが高じて、研究の道へ。多様な生き物たちの生態を調べるため、熱帯林を訪れること多数。現在の研究テーマは、生物多様性、熱帯林保護。1999年日本熱帯生態学会吉良賞、2015年日本生態学会大島賞、2019年広島大学教育賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぽてち

34
宇宙船地球号の乗組員の中で、最強にして最悪の存在となってしまった人類。「生物多様性の喪失」がテーマの本書を読むと、わたしたちの活動が他の生物たちにどれほど大きなダメージを与えているのかがよくわかる。生物の絶滅とは、単に1つの種が滅ぶだけでなく、連鎖反応で様々な予期せぬ事態が起きることも理解できた。だからこそ、今できる対策を早急に取らなければならないのだ。小難しい解説は避け、専門的な内容を平易な言葉で説明されているので、読みやすくそしてわかりやすかった。2023/04/23

tosca

28
世界の人口が80億人を超える一方で、3万種以上の動植物が絶滅危惧種と認定されており、絶滅リスクは100万種を超えるという推定もある。農地開拓や乱獲など人間が生きるための様々な人間活動により生物多様性の喪失が引き起こされている。筆者は増える人口を何としてでも減少させねばと訴えており、もっともだと賛同するが、人口減で少子化問題に悩む日本の現状とのズレもあり、しっくりこない部分もある。絶望的な状況にある地球、非常に興味深い内容だけに、多くの人が関心を持つようにもう一歩面白く読める工夫をしてもよかったのでは2024/04/18

りらこ

24
人間って勝手だな。目先の利益を追求するあまりにバランスを欠いた行動を平気でする。これくらい大丈夫だろう、の積み重ねが気づくと大きな事象をまねいている。この本は具体的な例が多いので、授業に使えるなーと思いながら読んだ。内容盛りだくさん。2023/06/12

Taka

10
地球には過去5回の大量絶滅が発生した。そして今は、第6回目に過去最速の大量絶滅が起きようとしている。原因は人間活動。人間は生物多様性の重要性はわかるのだが、感覚がついてこない。それは、生物多様性がハイパーオブジェクト人間の認知を遥かに超える時空間をもつものだからだ。リベット仮説。リベットを端金で抜き続ける男。人口抑制のジレンマ。良心を持つ人は子供を控える。良心を持たない人は無視する。結果良心を持つ人の血は淘汰される。草原か。森林が。それはウサギが決める。多様性は様々に影響する。人の遺伝子多様性は実は低い2023/06/13

kenitirokikuti

7
図書館にて。2023年刊行。「絶望」「死神」など派手な単語が表紙を飾っているのは、『〈正義〉の生物学』(2020)の続編的なものだからだろう。IPBES(生物多様性版のIPCC(気候変動に関する政府間パネルとも呼ばれるそうな)が2019年に「生物多様性・生態系サービスに関する地球規模アセスメント報告書」を公表。前著はそれに基づくもの▲初読時に読み損ねてしまったので、再読した。…まぁなんだ、帝国の遺産である植民地開発学・経営学のポスト20世紀的形態って匂わせてくれないと、誤認しちゃうよぉ…2023/08/06

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