講談社選書メチエ<br> 逆襲する宗教―パンデミックと原理主義

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講談社選書メチエ
逆襲する宗教―パンデミックと原理主義

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  • サイズ 46判/ページ数 240p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065309735
  • NDC分類 161.3
  • Cコード C0336

出版社内容情報

宗教から眺めると世界の「いま」が分かる!
アメリカのクリスチャン・ナショナリストはなぜ陰謀論めいた主張を叫んでやまないのか。インドでは反イスラムの動きが先鋭化し、モスクワこそが「第3のローマ」と謳うロシアの原理主義者たちもまた陰謀論を思わせる「世界の終末」を唱える。一体、いま世界で何が起こっているのか。――その背景には1970年代以降に広がった「宗教復興」の潮流があった。
パンデミックに揺れる世界で、一気に噴き出した宗教と社会の問題を、各国各宗教ごとに解き明かす。
宗教ぬきに国際情勢を理解することはもはや不可能となった現代にあって、「いま」をあと一歩深く知るために必読の書!

イランのイスラム革命に象徴されるように、世界は1970年代から宗教の季節を迎える。それはイスラム教に限ったことではなく、アメリカやロシアなどの大国をも含む複数の国で「宗教復興」とでも言うべき現象が起こり、その勢いはいまなお衰えをみせない。
イスラム教においては、その一部がジハード主義者たちのテロ行為へとつながっていくが、そこで標的となったアメリカもまた、「宗教復興」と無縁ではない。それを示すのが、1980年の大統領選におけるロナルド・レーガンの逆転勝利である。このときアメリカが直面したキリスト教保守主義vs.世俗リベラルの図式は、今日いっそう深刻な分断となって我々の前に立ち現れている。
宗教が各地で影響力を強めていくなかで突然訪れた世界規模のパンデミックは、感染防止のための礼拝の禁止や宗教施設の閉鎖をめぐって大きな反発を生み、各国で思いがけない事態を引き起こした。その一方で、広く影響力をもつ宗教勢力と協力して、危機を乗り越える力を得た国もある。
世界情勢はもはや宗教なしに理解することが不可能となりつつある。本書は、国際交流基金に長く勤めた経験のある著者ならではの筆致で、危機の到来によって急激に前景化した宗教と社会の関係を各国ごとに明快に解き明かす。
読めば世界の見え方がちょっと変わる、「いま」に対する探究心に応える一冊!

【本書の内容】
はじめに 
序章 世界の宗教復興現象――コロナ禍が宗教復興をもたらす
第1章 キリスト教(プロテスタント)――反ワクチン運動に揺れる米国
第2章 ユダヤ教――近代を拒否する原理主義者が孤立するイスラエル
第3章 ロシア正教――信仰と政治が一体化するロシア
第4章 ヒンドゥー教――反イスラム感情で軋むインド
第5章 イスラム教――ジハード主義者が天罰論拡散を図る中東・中央アジア
第6章 もうひとつのイスラム教――宗教復興の多面性を示すイスラム社会、インドネシア
終章 コロナ禍で日本に宗教復興は起きるか
参考文献
あとがき

内容説明

クリスチャン・ナショナリストが陰謀論を叫ぶ米国。反イスラムの動きが先鋭化するインド。ロシア正教が国教化する一方で東方正教会から孤立するロシア。パンデミックに揺れる世界で、いま何が起こっているのか―。その答えの鍵は、一九七〇年代から広がる「宗教復興」にあった。危機の到来で、急速に前景化した宗教と社会の問題を国別に解明し、私たちを取り巻く「いま」を、さらに一歩深く知るための一冊!

目次

序章 世界の宗教復興現象―コロナ禍が宗教復興をもたらす
第1章 キリスト教(プロテスタント)―反ワクチン運動に揺れる米国
第2章 ユダヤ教―近代を拒否する原理主義者が孤立するイスラエル
第3章 ロシア正教―信仰と政治が一体化するロシア
第4章 ヒンドゥー教―反イスラム感情で軋むインド
第5章 イスラム教―ジハード主義者が天罰論拡散を図る中東・中央アジア
第6章 もうひとつのイスラム教―宗教復興の多面性を示すイスラム社会、インドネシア
終章 コロナ禍で日本に宗教復興は起きるか

著者等紹介

小川忠[オガワタダシ]
1959年、神戸市生まれ。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士課程修了。博士(学術)。国際交流基金を経て、跡見学園女子大学文学部教授。専門は国際関係、アジア研究、文化交流政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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パトラッシュ

95
20世紀はイデオロギーに基づく政治的対立が続き、宗教は隅に追いやられた。ソ連崩壊で共産主義という拠り所を失った人びとは宗教に走り、先進国でも国際化と格差拡大に反発する面々が続いた。東西対立下で主導役のリベラリズムへの反動でナショナリズムが高まって宗教と結合し、新型コロナの閉塞感もあって都合の悪い選挙結果を否認するまでに過激化した。オウム事件で宗教を異端視していた日本では、統一教会絡みの元首相暗殺で拍車がかかり宗教復興が抑制されている。漂流する人心を収斂させる大事件でも起こらない限り、この傾向は続くだろう。2023/03/30

原玉幸子

22
プロテスタント、ユダヤ教、ロシア正教、ヒンドゥー教、イスラム教に就いて、宗教が何たるやよりは、主要各国の各宗教の浸透度合いを解説した社会学的分析です。「宗教は政治であり政治は宗教である」のは「宗教は本来哲学に昇華収斂されるべき」との予見そのものと思います。本書で初めて知ったことでも、不思議と驚きはなくまぁ想定内でしたが、終章日本での宗教復興の可能性とあとがきでの安倍元総理大臣銃撃事件への言及で、コロナ禍と宗教を結び付けて論じるのは、ちょっと無理がある印象でした。(◎2023年・夏)2023/06/10

道楽モン

16
世界各地で宗教への回帰傾向、特に原理主義的な方向に強く揺り戻されているという事実を、主要宗教について検証している。新自由主義における格差拡大、covid-19によるパンデミック、共産主義陣営の経済開放政策など、政治や経済の停滞が顕著になり、拠り所をナショナリズム(パトリオティズム)や信仰の原点に求めることは、至極当然なことであろう。ただしこれが共同体から異物を排除する理論に直結されることが恐ろしい。本書で、各宗教の歴史から現代の状況までを俯瞰できる。ウクライナとの戦争の背後には、ロシア正教会の影響あり。2023/04/10

mittsko

8
大変面白い!2023年2月刊。コロナ禍の世界各地の宗教動向を通覧する。多くの論者同様、本書も、1970年代から世界各地で「宗教復興」が生じ、現在もそれは続いていると見る。そして、コロナ禍への対応に「宗教復興は[…]どのような影響を及ぼしているのだろうか」、この危機は「宗教復興を加速させるのだろうか」と問う(15頁)。有意義。しかし、本書の真に大事なところは、著者が第一線の国際交流・開発ワーカーであるところ、そして、その立場から 宗教の重要性と危険性を指摘しているところ、でしょうね…(=゚ω゚)ノ2025/04/26

馬咲

6
表題が内容とやや不釣り合いな一冊。「逆襲」とは70年代以降の米国の宗教保守台頭や非西洋圏の反近代化運動等の「宗教復興」の歴史的潮流を指した表現だが、本書が示すパンデミック下の各国各宗教の動向は必ずしもこの反発の流れに沿ってはいない。ウイルスは天罰、異教徒の陰謀といった言葉もあれば、医療活動や公衆衛生への冷静な理解を教義に則して呼びかける言葉も同一の宗教から紡がれる。各宗教に概ね共通するのは、パンデミックの解釈とそれに伴う世俗権力との関係性をめぐって既存の宗派間の対立の溝がより深まっているようだということ。2023/08/06

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