黒い海―船は突然、深海へ消えた

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黒い海―船は突然、深海へ消えた

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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065304952
  • NDC分類 557.84
  • Cコード C0095

出版社内容情報

その船は突然、深海へ消えた。
沈みようがない状況で――。

本書は実話であり、同時にミステリーでもある。

2008年、太平洋上で碇泊中の中型漁船が突如として沈没、17名もの犠牲者を出した。
波は高かったものの、さほど荒れていたわけでもなく、
碇泊にもっとも適したパラアンカーを使っていた。
なにより、事故の寸前まで漁船員たちに危機感はなく、彼らは束の間の休息を楽しんでいた。
周辺には僚船が複数いたにもかかわらず、この船――第58寿和丸――だけが転覆し、沈んだのだった。

生存者の証言によれば、
船から投げ出された彼らは、船から流出したと思われる油まみれの海を無我夢中で泳ぎ、九死に一生を得た。
ところが、事故から3年もたって公表された調査報告書では、船から漏れ出たとされる油はごく少量とされ、
船員の杜撰な管理と当日偶然に発生した「大波」とによって船は転覆・沈没したと決めつけられたのだった。
「二度の衝撃を感じた」という生存者たちの証言も考慮されることはなく、
5000メートル以上の深海に沈んだ船の調査も早々に実現への道が閉ざされた。
こうして、真相究明を求める残された関係者の期待も空しく、事件は「未解決」のまま時が流れた。

なぜ、沈みようがない状況下で悲劇は起こったのか。
調査報告書はなぜ、生存者の声を無視した形で公表されたのか。

ふとしたことから、この忘れ去られた事件について知った、
一人のジャーナリストが、ゆっくり時間をかけて調べていくうちに、
「点」と「点」が、少しずつつながっていく。
そして、事件の全体像が少しずつ明らかになっていく。

彼女が描く「驚愕の真相」とは、はたして・・・・・・。



内容説明

日本の重大海難史上、まれに見る未解決事件。その驚くべき「真実」。2008年、太平洋上で碇泊中の中型漁船が突如として沈没、17名もの犠牲者を出した。沈みようがない状況でなぜ悲劇は起こったのか?ジャーナリストが海のミステリーに挑む。

目次

転覆
救助
不帰の17人
原因不明
事故調査
遺族
報告書
解けぬ謎
黒い海
潜水艦の男
花を奉る
希望

著者等紹介

伊澤理江[イザワリエ]
1979年生まれ。英国ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。英国の新聞社、PR会社などを経て、フリージャーナリストに。調査報道グループ「フロントラインプレス」所属。これまでに「20年前の『想定外』東海村JCO臨界事故の教訓は生かされたのか」「連載・子育て困難社会 母親たちの現実」をYahoo!ニュース特集で発表するなど、主にウェブメディアでルポやノンフィクションを執筆してきた。TOKYO FMの調査報道番組「TOKYO SLOW NEWS」の企画も担当。東京都市大学メディア情報学部「メディアの最前線」、東洋大学経営学部「ソーシャルビジネス実戦講義」等で教壇にも立つ。本書が初の単著となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

222
松本清張『日本の黒い霧』を思わせる、読み応えのあるノンフィクション。漁船沈没事故は潜水艦との衝突が原因ではとの疑惑を、徹底的な取材で追及していく。海難審判庁から運輸安全委員会に調査が移管後に見立てが一変した経緯、助かった乗組員の証言が報告書の事実認定と異なる矛盾、多発する潜水艦と船舶の衝突など状況証拠を固めていくが、国家機密の壁は厚く下山事件同様に明確な証拠は得られない。また漁船の所属会社も東日本大震災で大打撃を受け、深い傷を負いながら懸命に生きようとしている。この国にはまだ厳然と黒い霧が立ち込めている。2023/11/28

青乃108号

211
ノンフィクションは滅多に読まないのだけど、この本は一気読みだった。兎に角、著者の取材に対する執念が凄い。深海に沈没してしまった中型漁船の引き揚げが叶わない限り、確定的な証拠はつかめないのだろうが、各方面に渡る徹底的取材に基づき検証に検証を重ね、1つ1つ当時の事故調の矛盾を崩し、可能性として導き出したのは「いずれかの国の潜水艦」の当て逃げ。それ以外には考えられない。事実を隠蔽しようとする国家との著者の闘いは、まだまだ続く。頑張れ。2023/10/17

trazom

196
千葉沖で謎の転覆をした第58寿和丸の沈没事件を追ったルポ。「原因は波」とする運輸安全委員会の事故報告書に疑問を持ち、丹念に取材を重ねる著者のジャーナリストとしての姿勢に感銘を受ける。「最初から結論ありき」で心を込めた原因追及を放棄した運輸安全委員会、事務方の筋書きを追認しお墨付きを与えるだけの専門委員、守秘義務を盾に情報公開を拒否する官僚たち…見えてきたのは、意図的な隠蔽というような巨悪ではなく、不誠実と不作為に塗れたこの国の為政者たちの姑息さ。「何という国なんだ!」と叫ぶ被害者の無念がいたたまれない。2023/03/15

読特

140
2019年。「日々の新聞」編集長に紹介された福島漁連の会長。そこから取材は始まる。20名の船員が乗る漁船の転覆。3名のみが生還。運輸安全委員会の結論は関係者の証言を無視したもの。事故発生は2008年。311の地震よりも以前。様々な専門家たちの見解。守秘義務の壁。何かが隠されたのか?調査制度の問題か?歴史に埋もれかねない真相。追求は今も続く。…第三者がニュースに求めるべきものとは?断片的な速報でも安易な決めつけでもない。遅くても真実に迫る詳報。結論は急がなくてもいい。あいまいさを受け入れる寛容性を持ちたい。2024/06/11

fwhd8325

139
この事件、全く覚えがありませんでした。言い訳をするつもりはありませんが、やっぱり日本のマスコミはどうかしていると思います。そして、作品の中でも度々登場する「不条理」という言葉は、この国のシステムを表現するにぴったりです。本当に不条理です。どうにかならないものなのでしょうか。怒りよりも悔しい気持ちで一杯です。まだあきらめていない状況の中で、真実を明らかにできることを願います。2024/01/18

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