出版社内容情報
一膳飯屋、蕎麦屋、菓子屋、いずれも屋号は「古狸」。三人の兄弟と看板娘のお悌が切り盛りする料理屋に通い詰める虎太。
姿を消した亀八を「古狸」のきょうだいたちは心配していたのだ。
怪談を聞かせるか、話に出た怖い場所に泊まると、飯代が無料になる「古狸」。
お悌と好物の茄子を目当てに通い詰める虎太は、それも怪談好きの亀八を探すためだとわかってきた。
だが、虎太は大の怖がり。今日も怖い場所に行かされる羽目に。
「うちの子を探して」と告げる幽霊の頼みを、虎太はどう応えるのか?
そして、亀八の、お悌たちには言えない秘密を虎太は知ることになり……!?
内容説明
一膳飯屋「古狸」の本来の主で、お悌たちきょうだいの父親亀八を捜し出すため、とわかってはいても、怖い話と唐茄子がやはり苦手な虎太は、今日も怪異の場所に行く羽目に。すると伝説の怪盗、鎌鼬の七と手口そっくりの事件に出くわす。虎太は無事、亀八を見つけ出して、お悌との仲を認めてもらえるのか!?
著者等紹介
輪渡颯介[ワタリソウスケ]
1972年、東京都生まれ。明治大学卒業。2008年に『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、デビュー。怪談と絡めた時代ミステリーを独特のユモーアを交えて描く。「古道具屋皆塵堂」シリーズに続いて、「溝猫長屋 祠之怪」シリーズも人気に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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sin
50
恋は盲目というが、一途が行き過ぎて盲目滅法な虎太にはこの恋はいけねぇや!もともと関心がないお悌だがその仕打ちは酷すぎるよ、作者…と、モヤモヤしながら読み進めたが面白い!虎太と周りの噛み合わなさや、因縁・事件が組み合わさって物語が進んでいく様も、そこに虎太の巻き込まれていく様も良かったのだが、後半うやむやに終わってしまったと思ったら、これがシリーズ最終巻!?皆塵堂が続く代わりと云えどもこのシリーズがここでおしまいは惜しい!何より作者に弄ばれたままで放置された虎太の最後の有り様が哀れでせつない!2023/05/18
桜
36
続編希望! 一膳飯屋の古狸。失踪した父、亀八の行方は? 怪談好きな父の行方を追うため、ご飯代と引き換えにスポット周る虎太。 短編の怪談話がスルスルまとまって、現実の事件とリンクしていく。 千村様(同心)の事もっと知りたいっ(☆▽☆) 虎太の恋の行方も気になるぞ!2023/06/08
よっしー
16
怪談嫌いの虎太、今回は古狸に行っても苦手な唐茄子をひたすら食べさせられ、恋心は全く報われず…。それでも文句を言いつつも投げ出さないのは流石ですね。色々な怪談話が最後には綺麗に纏まったのは流石ではあるのですが…虎太の受難はまだまだ続きそうな感じですね。というか、いくら子ども達が大きくなったとは言えど…父親としては無責任すぎません?2023/07/16
きゃる
5
この作者の「皆塵堂」シリーズから読んでるけど、最近の流行りなのか1巻、2巻と表記が無いのでどこまで読んだか分からなくなるいちいちタイトル覚えてないから、案の定今作も読んでた。お化けが絡んだほのぼの人情長屋物語です。畠中さんが好きな人ならこちらも好きじゃないかな2024/06/11
きよみオレンジ
3
笑った。虎太面白すぎる。千村の旦那に使われてもしかして才能あるのでは?頑張ったんだから好物のナスくらい食べさせてあげればいいのに。お悌をお嫁に出来る日はくるのか。2023/10/28