出版社内容情報
「月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人なり」
松尾芭蕉はなぜ旅に出たのか。
三百年以上たっても、色褪せることのない芭蕉の旅。
芭蕉の身体は亡びたが、芭蕉の魂である言葉は今も時間の中を旅していて、なお永劫の未来へ向かって旅をやめようとはしないのである。ーー立松和平
内容説明
墨染めの僧衣をまとい、弟子の曽良を連れ、奥州、北陸の歌枕の地をめぐる俳諧の旅。それは世間の執着を捨てた松尾芭蕉、集大成の旅となった。日常にしばられる多くの人が憧れた紀行文「奥の細道」の味わいを、立松和平の解説とかみしめる。「深川」から「大垣」までの全行程を網羅、音読にも最適な原文対訳。
目次
深川―真理の旅人
千住―旅の人生
草加―天命
室の八島―一滴の思い
仏五左衛門―善に誇る
日光―心魂たもちがたい
那須野―救いの童子
黒羽―人の成熟
雲巌寺―木啄の気持ち
殺生石・遊行柳―馬の移動〔ほか〕
著者等紹介
立松和平[タテマツワヘイ]
1947年栃木県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。在学中に「自転車」で第1回早稲田文学新人賞を受賞。卒業後、さまざまな職業を経験したあと、故郷の宇都宮市役所に勤務。’79年から文筆活動に専念する。’80年「遠雷」で第2回野間文芸新人賞、’93年「卵洗い」で第8回坪田譲治文学賞、’97年「毒―風聞・田中正造」で第51回毎日出版文化賞を受賞。’86年にはアジア・アフリカ作家会議の「85年度若い作家のためのロータス賞」も受賞している。2010年2月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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