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出版社内容情報
大寒波襲来、壊滅的打撃、世界初期化。人工冬眠から五百年ぶりに目覚めた舞鶴太郎(まいづるたろう)は、愛する家族も財産も全て失った。絶望の淵から這い上がり、理想の暮らしと生きがいを求めて、祖国「日本」を目指す。ヒトと文明の歴史をさかのぼるグレートジャーニー。人類よ、これが未来だ!!
傑作大河漫画『へうげもの』で500年前における「文化」のルーツを描き倒した山田芳裕。この『望郷太郎』では一転、500年後の「文明」を描く!
舞鶴太郎の旅は凍てつく中央アジアから始まり、バイカル湖畔(ヤープト村)にて仲間を得て、日本まであと2000km、大国マリョウにまでたどり着いた。そしてこの地の経済を転覆しかねない大計画・不換紙幣の乱発を主導することで、思わぬ「闇」へと身を投じることとなる……!
この最新遠大野望作、週刊「モーニング」で年2回の「ブロック連載」中。「コミックDAYS」でも好評配信中!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
29
ユーラシアの世界観と裏腹な疑問は、発展に対して船が使われていないのではないかということだ。(ソリと馬は登場するが、車輪もあまり登場しない)モノの価値の増殖には場所を移動させることが手っ取り早い。大量のものをより遠くに運ぶことが富の源泉となる。石油を採掘しているのならば熱源として利用でき、動力にも使うことができるだろう。人口が多いので水はありそうだ。運河の建設によって移動や輸送手段を確保しているはずだ。そもそもマーよりも水の方に価値があることは容易に想像がつく。水が隠されていることに意味はあるのだろうか。2024/08/11
ぐうぐう
21
信じる者の数が多ければ多いほど、価値は高まり、定まる。そこには利便性といった論理が必要となるが、と同時に熱もまた不可欠のはずだ。貨幣「マー」から紙幣への転換を図る太郎。しかし価値の変換を転覆と捉える既得権益を守ろうとする人々の抵抗は、生半可ではない。となれば、熱に頼るほかない。とはいえ、その熱は諸刃の剣でもある。歴史を知る太郎よ、歴史に裏切られるな。2023/05/16
ミエル
16
発売日に買ったのに今まで積んでた… 次巻出ちゃう… 選挙がダーティですっかり政治漫画のよう。石のお金から紙幣への変換て難しいんだな。いや、国有化しちゃえば簡単だろうけど、今の太郎にはそれは無理だし。ようやく、パル頼みだった旅にに元ビジネスマンの太郎の腕が役立つ時が来た。8巻はグレーゾーンを掻い潜って選挙に突入!の前段でした。楽しい。2023/06/05
とんかつラバー
9
この人の漫画は戦で首が吹っ飛んだりする描写はあったけど、前巻の少女を犯して殺す宴あたりから、これまでにない嫌な感じがあった。奴隷制はまだしも「人間牧場」には吐き気がする…。でも今の時代も表立ってないだけで大して変わらない。冷静な太郎、義侠心のあるハッタ、野生のパル。この3人の絶妙な組み合わせが面白い。食えない感じの権力者達とどう取引して選挙に勝つのか!?2023/01/26
笠
6
4 新刊読了。マー紙幣を普及させるため、協力者を求めてロビー活動。ディストピアSF冒険漫画だと思ったら、いつの間にか政治漫画になっていたという…テクノロジーはともかく、人々の思考回路は限りなく現代に近づいてるよな。結局500年前と同じ道を人類が歩んでいるならもう希望も何もないわけで、この世界で太郎がなすべきことがあるとするなら、500年前と同じ轍を踏まないように世界を導いていくことだと思うんだよな。ただ、その方法は今の太郎がしている資本主義の追随とも、パルのような原始主義とも違うのではないかと思う。2023/02/21