講談社選書メチエ<br> 越境の中国史―南からみた衝突と融合の三〇〇年

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講談社選書メチエ
越境の中国史―南からみた衝突と融合の三〇〇年

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  • サイズ 46判/ページ数 272p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065302750
  • NDC分類 222.06
  • Cコード C0322

出版社内容情報

香港の民主化運動への禁圧、台湾への軍事的圧力――。現在の中国が見せる、特に南部への強硬な姿勢には、どのような歴史的背景があるのだろうか。中国史のフロンティア=華南地方の周辺民族と移民活動に焦点を当て、南から中国史を見直す。
中国の歴史は従来、黄河流域に展開した古代王朝の興亡史や、騎馬遊牧民が打ち立てた大帝国など、「北から動く」ものとして捉えられてきた。しかし、清代末期、広州などの港町を窓口とした近代ヨーロッパとの出会いをきっかけに、新しい時代が始まる。洪秀全の太平天国、孫文の辛亥革命など、社会変革の大きな動きは南から起こり、中国史上初めて「南からの風が吹いた」のである。その「風」を起こしたのは、漢民族にヤオ族・チワン族やミャオ族、さらに客家など様々な人々が移動と定住を繰り返す「越境のエネルギー」だった。
世界のチャイナタウンではなぜ広東語が話され、福建省出身者が多いのか。周辺民族は、漢民族のもたらす「文明」にどのように抵抗し、あるいは同化したのか。辺境でこそ過剰になる科挙への情熱や、キリスト教や儒教と軋轢を起こす秘密結社、漢民族から日本人そして国民党と、波状的な支配を受ける台湾原住民など、中国社会の多様性と流動性を史料と現地調査から明らかにし、そこで懸命に生きてきた人々の姿を見つめる。

目次
序章 中国史のフロンティア=華南
第一章 動き出した人々――福建・広東の移民活動
第二章 越境する漢人移民――広西と台湾への入植
第三章 辺境の科挙熱――中国文明と向き合う
第四章 周辺民族の抵抗と漢文化――流入する移民と秘密結社
第五章 太平天国を生んだ村で――移民社会のリーダーたち
第六章 械闘と動乱の時代――つくり直される境界
終章 越境してやまない人々――海外移住と新たな統合
あとがき
参考文献
索引

内容説明

古代以来、中国の歴史は「北から動く」ものだった。しかし清代末期、近代への「変革の風」は南から吹く。その風を起こしたのは、ヤオ族やチワン族などの周辺民族と、漢人や客家の移民たちが生み出す「越境のエネルギー」だった。辺境で過熱する科挙、キリスト教や儒教と軋轢を起こす秘密結社、厳しい競争に生き残るための「〓食(ワンセック)」という行動様式、「外来政権」の波状的な支配を受ける台湾原住民など、中国社会の多様性と流動性から、歴史と現在を捉えなおす。

目次

序章 中国史のフロンティア=華南
第1章 動き出した人々―福建・広東の移民活動
第2章 越境する漢人移民―広西と台湾への入植
第3章 辺境の科挙熱―中国文明と向き合う
第4章 周辺民族の抵抗と漢文化―流入する移民と秘密結社
第5章 太平天国を生んだ村で―移民社会のリーダーたち
第6章 械闘と動乱の時代―つくり直される境界
終章 越境してやまない人々―海外移住と新たな統合

著者等紹介

菊池秀明[キクチヒデアキ]
1961年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。東京大学大学院修了。文学博士。中部大学国際関係学部講師・助教授を経て、国際基督教大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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まーくん

97
先日読んだ『中華を生んだ遊牧民』(松下憲一著)は鮮卑拓跋の歴史を辿り、中原王朝・漢族と北方遊牧民とのせめぎ合いを追っていた。一方、本書は漢族と南方少数民族とのせめぎ合いだが、こちらは漢族の一方的な「越境」の歴史。王朝交代の混乱、人口の爆発的増加、天候による飢饉など、食い詰めた漢族がチワン族などの領域に浸透、彼らを排除あるいは搾取・同化して飲み込んでいく。中国史というと北京を中心とした北方に目がいくが「華南」のダイナミックな動きも興味深い。⇒2023/12/02

榊原 香織

56
面白かった 天地会や太平天国、械闘など、中国拳法とも関係あることが多々。2023/06/22

サアベドラ

37
明代以降の中国南部(特に広西と台湾)における漢族移民と先住民(チワン族やヤオ族など)の諸相を描いた選書。2022年刊。著者は『太平天国』(岩波新書)を書いた人。漢族の先住民から父祖の土地を奪っていくやり口は悪辣で詐欺そのものだが、漢人自身が人口爆発でもとの社会から追い出された人々で、移住先の華南でも常に漢人同士で激しい対立・競争にさらされていた。清末の太平天国の乱はこの果てしない抗争の一つの成果と言える。過当競争による生き辛さと救いのなさは現代中国にも通じる、というかダイレクトにつながっている。おすすめ。2023/05/05

さとうしん

23
中国の華南の少数民族、客家、下層の漢人といったマイノリティの視点からの清代史ということになるだろうか。官吏など中上層の漢人から虐げられて移住してきた下層の漢人や客家が、今度は現地在住の少数民族を踏みにじる側になるといった相互の角逐や対立を活写する。科挙が地位を上げる手段となるなど、マイノリティにとっての科挙や儒教の肯定的側面にも触れられているのが印象的。現在の中国での反政府・民族運動、あるいは台湾の立ち位置に対して少し違った視点を提示しうる内容となっている。2022/12/18

20
華南の少数民族や客家からみた近代史。科挙に食い込むことで中央に進出し地方のリーダーとなるが、マイノリティの亀裂は深まるばかり。台湾の「人食い人種」を大阪の万国博覧会で生体展示したエピとかいたたまれないやつ。沖縄の人々から批判の声があがったが、自分たちがアイヌや人食い人種と同列に扱われることに対してのものだったというので猶更に。太平天国の残党はキューバ等に渡った者も多い。越境こそが華南の人々が国家の圧力に抗う武器だった。やたら太平天国への言及が多いと思ったら、岩波新書で太平天国の乱を書かれてた先生だった。2023/04/07

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