講談社学術文庫<br> 畠中尚志全文集

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講談社学術文庫
畠中尚志全文集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 360p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065302286
  • NDC分類 104
  • Cコード C0110

出版社内容情報

「畠中尚志」という名を目にした人は多い。しかし、その名を刻印して書かれた言葉と結びつけて記憶している人は少ない。――本書は、その思いから生まれました。
本書の著者・畠中尚志(1899-1980年)を知る人のほとんどは、『エチカ』をはじめとするスピノザの著作(岩波文庫)の「訳者」として記憶していることでしょう。その訳業はスピノザの全哲学著作に及び、優れた日本語訳をすべて文庫版で読めるようにした功績は、どれだけ称えても足りません。
しかし、その全7作品に収録された訳者解説を通して読んだことのある人はどれだけいるでしょうか。その同じ人が、ボエティウス『哲学の慰め』や『アベラールとエロイーズ』、さらには『フランダースの犬』の訳者でもあることを、雑誌『思想』で論争を繰り広げたことを、そして数々のエッセイを雑誌に寄稿していたことを知っている人がどれだけいるでしょうか。
仙台の旧制二高で学び、東京大学法学部に進んだものの、若い頃から病に苦しめられた著者は、やがてスピノザと出会います。中でも「この書はその後幾度か崩れ落ちようとした私の精神生活をさゝえてくれる支柱の一となった」(「仰臥追想」)と回想される『エチカ』に惹かれた著者は、独学でラテン語を学び、療養生活の中で全訳を完成させるに至りました。淡路島の洲本、東京、軽井沢、富士見、福岡、そして四国への疎開を経て、再び東北へ――各地を転々としつつ悪化する症状と闘いながら翻訳と執筆を続けた著者は、公表された最後の文章で書いています。「全集邦訳と並んで私の若き日の目標の他の一半であったスピノザの伝記とその哲学解説の作成は、邦訳終了後しばしば試みたにもかかわらず病いと種々の故障に妨げられて遅々として進まず、今の視力ではいつ出来上るかも当てがない。それを思うと私はいつも胸の痛むのをおぼえるのである」(「スピノザを訳した日々のこと」)。本書は、ついにかなわなかったその「目標」の完成した姿を想像させてくれます。それは著者が自宅の庭に植えて大切にした馬酔木が花を咲かせたように、読む人の中で別の姿に成長してくれるはずです。著者の長女である畠中美菜子氏によるエッセイ、そして國分功一郎氏による渾身の解説を収録し、ここに「著者」畠中尚志の完全な集成をお届けいたします。

[本書の内容]
第I部 論 考――訳者解説
 1 スピノザ
 2 ボエティウスからフランダースの犬まで
第II部 論 争
第III部 随 筆

エッセイ(畠中美菜子)
解 説(國分功一郎)

内容説明

『エチカ』をはじめとするスピノザの全哲学著作を優れた日本語による文庫版で手にできるのは、畠中尚志(一八九九‐一九八〇年)のおかげである。しかし、訳書を手にする人も訳者には関心を抱かないまま時は流れた。偉大な訳業の傍らで書かれた数々の文章は、この人がいかに稀有な存在だったかを伝える。生前発表の全文章を初めて集成した決定版。

目次

第1部 論考―訳者解説(スピノザ;ボエティウスからフランダースの犬まで)
第2部 論争(邦訳『スピノザ全集』の学的価値―齋藤〓氏の業績を検討す;齋藤〓氏の謬見を正す―スピノザの翻訳問題を中心として)
第3部 随筆(スピノザ生誕記念日を迎へて;土田さんの一面―『エチカ』の歌を中心として;仰臥追想 ほか)

著者等紹介

畠中尚志[ハタナカナオシ]
1899‐1980年。宮城県生まれ。東京大学法学部中途退学。若い頃に冒された脊椎カリエスのため、各地を転地療養しながら、スピノザ哲学に親しむ。戦後は岩手県南に住み、生涯ギプスベッドの中で研究・翻訳に携わった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

田氏

17
スピノザと言えば、な畠中尚志の、その手による翻訳書によせた解説や、岩波書店の各誌に寄稿した文章。ひとつひとつは個々のテーマに向かって書かれていても、このように並べて読むと、ひとつながりの人生史のようにも見えてくる。ライフワークであったスピノザ翻訳のそれぞれに付された訳者解説さえも、全文集という形で読むならば、随筆と同じように訳者自身を写しだした文章でもあるのかもしれない。哲学に転向すべく法学部を辞し、誰に師事もせず、学会に所属することもなかったオルタナティブな生きざまは、どこかスピノザに重なっても見える。2023/01/24

Ex libris 毒餃子

11
スピノザ翻訳で有名な畠中の全文集。病中で限られた時間のみを学術に投じたとわかり、翻訳の精度に驚くばかりである。2023/01/08

あつ

3
翻訳者の存在を改めて認識する一冊となりました。外国書籍が日本語で読めているのは翻訳者がいてこその所業ですね。病気を患いながいながらも畠中氏の人生を捧げて翻訳する様は感銘を受けました。どれほど偉大で、困難なことをやってのけたかは私の想像では収まらないでしょう。2023/04/20

hryk

2
ある時期まで「畠中尚志」は謎の人だった。これ誰だろうと不思議に思いながらスピノザを読んでいた。在野の人で重い病気を患いながらの訳業だったことを知ったのは十数年前だったかと思う。こうやって全文章を読んでみると文字通り臥せっての仕事だったのだと知って驚く。よくぞ一冊にしてくれたという思いです。2024/10/07

mori-ful

0
大変な本だ。しみじみする。2023/07/15

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