出版社内容情報
自分とは似ても似つかない、そもそも存在しないはず幻の息子が妙にリアルに作家柿原の夢に現れる。若い編集者が訪れ、疫病や死にまつわるエピソードを披露していく。様々な謎と言葉を残し、死に至ることになる旧友との対話。移ろい儚く過ぎ去る時間と情景のなかで、生と死のイメージが纏いつく。否応のない老いと死を意識せざるをえない人生の終盤、悲観しながらも達観しただ暮らしていくなか辿り着いていく楽天の境地。
「死から生へ、ネガティヴのきわみからポジティヴなものへと転ずる」
「天ヲ楽シミテ、命ヲ知ル、故ニ憂ヘズ」という中国の古典にあるような境地へ。
解説・町田康。
内容説明
そもそも存在しないはずの幻の息子が妙にリアルに作家柿原の夢に現れる。若い編集者が訪れ、疫病や死にまつわるエピソードを披露していく。様々な謎と言葉を残し死に至る旧友との対話。移ろい儚く過ぎ去る時間と情景のなかで、生と死のイメージが纏いつく。老いと死を意識せざるをえない人生の終盤、悲観しながらも達観しただ暮らしていくなか辿り着いていく楽天の境地。
著者等紹介
古井由吉[フルイヨシキチ]
1937・11・19~2020・2・18。小説家。東京生まれ。東京大学大学院修士課程修了。大学教員となりブロッホ、ムージル等を翻訳。文学同人誌「白描」に小説を発表。1970年、大学を退職。71年、「杳子」で芥川賞受賞。黒井千次、高井有一、坂上弘らと“内向の世代”と称される。77年、高井氏らと同人誌「文体」を創刊(80年、12号で終刊)。83年、『槿』で谷崎潤一郎賞、87年、「中山坂」で川端康成文学賞、90年、『仮往生伝試文』で読売文学賞、97年、『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- ネクロノミコン 〈2〉