出版社内容情報
私たちの冒険は続く――「死」が二人を分かつまで。
親友の名前はトランジで、私はピエタ。
彼女に出会ったその日から、最高にクレイジーな人生がはじまった!
芥川賞作家が放つ、極上のロマンシス・エンターテインメント!
頭脳明晰な探偵のトランジと、彼女に惚れ込む助手のピエタ。トランジは殺人事件を誘発する体質の持ち主で、二人の周囲では次々に人が死んでいく! 事件を解決しつつ各地を転々とする二人だったが、トランジには人類を脅かすさらなる秘密があった――。芥川賞作家が放つ傑作ロマンシス・エンターテインメント!
内容説明
頭脳明晰な探偵のトランジと、彼女に惚れ込む助手のピエタ。トランジは殺人事件を誘発する体質の持ち主で、二人の周囲では次々に人が死んでいく!事件を解決しつつ各地を転々とする二人だったが、トランジには人類を脅かすさらなる秘密があった―。芥川賞作家が放つ傑作ロマンシス・エンターテインメント!
著者等紹介
藤野可織[フジノカオリ]
1980年京都府生まれ。2006年「いやしい鳥」で文學界新人賞を受賞しデビュー。2013年「爪と目」で第149回芥川龍之介賞、2014年『おはなしして子ちゃん』で第2回フラウ文芸大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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セシルの夕陽
58
芥川賞作家。短編集「おはなしして子ちゃん」内『ピエタとトランジ』のその後を描いた長編作品…2人の出会いの短編話も本書に付録で収録。 荒唐無稽な設定で別世界へ連れ出される。でも日常生活描写はとてもリアル、そのギャップも凄い。ピエタとトランジは高校で出会った親友。トランジは天才で、殺人誘発体質だ。周りは殺されたり、殺したり、失踪したり、事件に巻き込まれたり、そして助けられたり。ピエタはトランジの理解者でサポート役。高校生〜80歳を超えた彼女たちに本物の友情を見せつけられた。不気味で不思議、嫌いじゃない。2024/09/15
優希
45
芥川賞作家が描くミステリーとして興味深く読みました。殺人事件を引き起こす体質というのが何とも言えません。ただ人が死にすぎだとは思いますが。2024/07/02
かみぶくろ
44
3.7/5.0 とりあえず設定がすごい。殺人誘発体質のトランジと一緒にいてもなぜな死なないピエタのある意味友情物語。人がひたすらに死に続け、殺人誘発が伝播して人類滅亡寸前になっても、二人の友情は揺るがない。というか友情の方が人類滅亡より優先される。語り手ピエタの明るさと生活感は立派な狂気と言ってよいのだと思うけど、しかし社会や倫理を超越していてただひたすらに眩しかったりもする。芥川賞作家だけあって文章も魅力的で、なんだか謎の怪作感があった。2025/03/16
サンタマリア
43
ガールミーツガール。こんな言葉で説明した気になるのは野暮だけど(というかおばあちゃんはガールなのか、可愛いからガールか)、この小説が面白いって事実は僕の言葉選びじゃ変わんない。個人的には森ちゃんに助演女優賞(助演って失礼、みんな頑張ってる)をあげたい。ピエタもトランジも強烈な個性の持ち主で、世界をかき回していた(彼女たち人類が滅んでも世界は回るのだけど)。読むと元気が出る本(つまりベストタイミングで読んだ)。2022/11/11
エドワード
27
ピエタは女子高生。転校生のトランジと仲良くなる。トランジは言う「私に近づくと死ぬよ。」彼女は殺人事件を誘発する体質らしい。金田一耕助だね。いや、それにしても夥しい人が死ぬ。血と凶器のオンパレード。これって、女子高生の口癖「先公死ね!ババア死ね!」のメタファーなんじゃないか?後半は未来世界。ピエタとトランジも齢を重ねていく。未来も人がバッタバッタ死ぬディストピアだ。「世界は滅びない。滅びるのは人類だけ。」オビに極上のロマンシス・エンターテインメントと謳われている。うーむ、これが今を生きる人の快感なのか。2023/03/01
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