出版社内容情報
『中国嫁日記』の井上家と一緒に学ぶ、マルクスの『資本論』で世界を救う道!
気候変動により、私たちの世界は崩壊の危機にあります。
その原因は、人々が欲望のままに経済成長へと走る資本主義。
そこで叫ばれるキーワードが「脱成長」です。
しかし「脱成長」という理念に基づく、
資本主義からの脱却は本当に世界を救う道たりえるのでしょうか?
本書では「脱成長共産主義(コミュニズム)」を批判的に検討し、しかしその思想の中核にある『資本論』を「逆」に読み解くことで、資本主義のなかで世界を救う道を探ります!
次に世界を変える者は、絶対にこの本を読んでいる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
活字スキー
28
やっぱりマルクス先生はつよかった。世の中の大きな問題について、漫画形式でテンポよく語ってくれるのでとりあえず読んでおいて損はないと思う。本書では、話題になった『人新世の「資本論」』を叩き台として「脱成長」と「共産主義」に対する批判が目立った。以前に読んだ『キミのお金は〜』でもハッキリしていた「経済は回してナンボ」という著者のスタンスは今回も変わらず、自分の感想も同じ。国家レベルの経済は、しかるべきスキルを持った人達が責任をもって取り組んでいただきたい、としか言えない。2023/05/31
ドラマチックガス
15
これまでの本を読んでずっと感じている、井上純一さんの「論敵」に対する態度への不信感が割りと露骨に感じられる本だった。前半は斎藤幸平さんへの批判、後半はいつもの「財政健全化」批判。斎藤さんへの批判は少し無理があるというか、一見相関関係にあるものを、擬似相関の可能性を疑わず、しかも勝手に因果関係に翻案しておこなっているように感じる。また、斎藤さんの発言を「マルキストなら絶対に言わないことを言ってしまっている」としているけれど、斎藤さんってマルキストなのか? マルクス主義研究家ではあるけれど。2023/05/23
あつ子🐈⬛
12
めちゃんこ面白かった…いや日本および世界の危機を思うなら、こんなぬるい感想すみませんて感じですが「あなたの政治スタンスが右でも左でも これからあなたが気候危機に声を上げるなら共産主義者と罵られるだろう」そうなのよ。社会に出たら政治と宗教と野球(!)の話はするなって昔親に言われたよね。和をたっとびすぎィ!マルクスすごい。サンライズ・ムーブメントもアメリカの政治家もすごい。大好きなスティグリッツ翁もセドラチェクさんもさすが。斎藤幸平氏はもう少し大人になろう(超失礼)今より"マシ"を積み上げていかなくちゃねえ…2025/04/05
臓物ちゃん
10
『キミのお金はどこに消えるのか』の著者が『人新世の「資本論」』への反論を軸に、資本主義の観点から気候変動と長期不景気を撃破する道を示してみせた渾身の一冊。「日本の火力は世界一ィィィ」「で、有事が起こったとする」ドドドド「ひーっ」「石油を海外に依存してるので台湾海峡を押さえられると終了」「あ゛ーっ」といった異常なテンポの良さが読んでて気持ちいいぜ。この手の漫画にありがちな「敵を醜く描く」というのも全くなく、そもそも共産主義は何故ヤバいのかといった基礎からしっかりレクチャーしてくれるのが嬉しいぜ。激オススメ。2023/04/27
まるのすけ
9
ネットニュースとかで紹介されてたりするのを見て気になって読みました。サクサク進んでくるペースと、「えっとなんのこと言ってるんだっけ?」と、自分の知識不足でわからないところでとどまってしまうのだけど、漫画は一息もつかずにグイグイ進んでいく。 一度読んだ後に関連書を読むと、なお面白さがあるかもだし、その時にはわかってるわ、となるかもだから、 この本の役割としては、興味を広げて行動を促すところにあるんだなー。と思うしその力があると感じました。巻末の参考文献いくつか読んでみたい。2023/08/01