出版社内容情報
俣野 敏子[マタノ トシコ]
著・文・その他
松島 憲一[マツシマ ケンイチ]
解説
内容説明
日本が誇る健康食、そば。しかし、ソバ食文化は日本だけのものではない。ダッタンソバは、なぜ日本で栽培されなかったのか?なぜ「手打ちそば」は上等なのか?中国のマオアルドウ、スロベニアのソバ団子、フランスのガレットに、イタリアのポレンタ…。信州で研究を積み、世界を探訪した著者が考える、日本のそばの可能性とは。
目次
序章 ソバとの出会い―私の研究歴
第1章 植物としてのソバ、作物としてのソバ
第2章 日本のソバとそば
第3章 世界のソバ食文化紀行
第4章 ソバの栄養と健康
第5章 日本「再発見」
著者等紹介
俣野敏子[マタノトシコ]
1932年、京都市生まれ。京都大学農学部卒業。京都大学大学院農学研究科修了。農学博士。信州大学農学部教授を経て、信州大学名誉教授。2020年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
30
著者のそば愛がよく伝わります。ややマニアックながらそばに関して新たな視点に導かれます。世界各国のそばの話が印象的でした。2023/05/02
かわかみ
8
てっきり蕎麦料理の本かと思いきや、さに非ず。著者は農学者であり蕎麦料理についても書かれているが、まずは作物としての蕎麦の特性について説明されている。繁殖や生育において、蕎麦には稲や麦とは異なる特性があり、それ故に栽培には困難が多く、よい土地があるからと言って生産を増やせるものではないことを知った。救荒作物として役立っていたのに意外であった。また、江戸では饂飩よりも蕎麦が消費されるようになったのは白米食が普及した結果、脚気が流行ったことも一因だったとの指摘も盲点であった。2023/12/03
niz001
5
中国とあとはガレットぐらいしか知らなかったので、意外に食べられているのに驚き。2025/04/09
Sanchai
3
本書にて言及もあり、著者も解説者も訪れているヒマラヤの山岳国に駐在している身としては、本書は1冊購入して、現地で回し読みでもしたいと思える内容だった。「自家不和合性」と「無限伸育性」という特徴(特に後者)が、こちらの人の行動特性と合っていると思うし、どうりでソバの産地ではハチミツも生産されているわけだわとも思った。2022/11/01
juunty
1
世界の蕎麦食文化に触れている点は秀逸であり興味深い。特に東欧のカーシャ文化について詳しく書いてある。また、イタリア・フランスなどの蕎麦食文化はあまり聞いたことがないので、貴重な内容であったと思う。残念に思う点が、文章の表現。一つの文の中に2つも3つも内容を組み込んでいる部分や、主語が非常に長い部分があり、内容を読み取りにくいと感じたところがあった。文章の読み取りには多少の慣れが必要であるが、蕎麦に対する興味が深まると思った。2022/09/08