出版社内容情報
大澤 真幸[オオサワ マサチ]
著・文・その他
内容説明
西洋が形成されたのは、「中世」と呼ばれる期間である。そして「中世」とは、キリストの「死なない死体」にとり憑かれた時代であった!都市はなぜ死体を中心に繁栄したのか。愛を説く宗教がなぜセックスを原罪とするのか。誰もが知っているはずなのに、誰も明確には答えられない謎に挑んだ果てに見えてくるものとは…。平易に語られる瞠目の真実が資本主義の本質を照らし出す。
目次
フィリオクエをめぐる対立
信仰の内に孕まれる懐疑
二本の剣
謝肉祭と四旬節の喧嘩
罪から愛へ
聖霊と都市共同体
“死の舞踏”を誘発する個体
聖餐のカニバリズム
教会を出産する傷口
空虚な玉座に向かう宮廷愛的情熱
利子という謎
「物自体」としての聖地
著者等紹介
大澤真幸[オオサワマサチ]
1958・10・15~。社会学者。長野県松本市生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。社会学博士。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞、『自由という牢獄 責任・公共性・資本主義』で河合隼雄学芸賞を受賞。著書多数。現在、月刊個人思想誌『大澤真幸THINKING「O」』を刊行中であり、2009年から『群像』誌上で評論「“世界史”の哲学」を、ライフワークとして展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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エジー@中小企業診断士
8
なぜ西洋なのかを駆動する基本的な謎は普遍性であり特異性と普遍性の交錯の最も顕著な例が資本主義。中世とはキリスト教が全領域に浸透した時代=西洋が始まったとき。東と西のキリスト教。正教とカトリックの相違。中世哲学=スコラ哲学(学校の哲学)、普遍論争、なぜ三位一体のような面倒な教義が必要なのか。アガンベンの神の存在論的パラダイム(聖なる権威)と神の世界統治オイコノミア的パラダイム(俗なる権力)、中世都市と聖なる遺体、利子という謎。中世は「煉獄」を発明することで利子を正当化した。中世の謎はひとつの死体に集約される2025/11/15
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