月の三相

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  • サイズ 46判/ページ数 240p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065288382
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報



石沢 麻依[イシザワ マイ]
著・文・その他

内容説明

「フローラが失踪した」。旧東ドイツの小さな街に広がる噂が、歴史に引き裂かれた少年と少女の物語を呼び醒ます。ドイツの森に囲まれたその街では、誰もが自分の「肖像画」を持っていた。面に惹かれて移り住んだ三人の女たち―望、グェット、ディアナは、失われた「顔」を探して、見えない境界を越えていく。いくつもの時間が重層する街で、歴史と現在、記憶と幻想が交差して描きだす、世界の肖像画。

著者等紹介

石沢麻依[イシザワマイ]
1980年、宮城県生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、ドイツ在住。2021年、「貝に続く場所にて」で第64回群像新人文学賞を受賞。同作で第165回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ヴェネツィア

284
本書は石沢麻衣の芥川賞作『貝に続く場所にて』に続いて書かれた著者の第2作目の長編であるが、小説としての難易度はきわめて高い。まず構想そのものがいたって特異である。旧東ドイツの田舎町マインケロートを舞台に物語は展開する。面作者のディアナの静、舞踏家グエットの動、そして局外者(主たる語り手でもある)の望といった構図まではわかりやすい。ところが、この町の住人たち全員が肖像面を持っているのである。しかも、この面は時として主体的な行動を起こすことがある。フローラの失踪に始まる、その後の展開は錯綜した夢幻の中で⇒2024/08/07

buchipanda3

116
モノクロームに包まれる色合い。月の裏側めいた旧東ドイツの街(おそらく架空の)。街の人は自分の肖像面を作る慣習があった。年を重ねると面も彫り刻まれる。まるで分身のように。その面に惹かれた3人の月を持つ女性たち、望(月を含む名)、グエット(翡翠色の月)、ディアナ(月の女神)。彼女らは表面的なものばかりに目を注ぐ世の中に違和感を持ち、面の裏側にある個人の歴史と記憶の重みを照らしていく。その想いを面と舞踏に込めた描写が良い。端麗な文章、文学やアートの空気感、そして丁寧に物語を積み上げて昇華させる構成がとても好み。2022/09/23

藤月はな(灯れ松明の火)

68
グエット、望、ディアナ。月に纏わる名を頂く3人の女性達と仮面を巡る物語。夜が満たされる部屋の描写など、表現したくてもできない事を表現できる作者に平伏するしかない。また、仮面製作者のディアナが創作に行き詰った時に量産される顔パイの猟奇的にも思える視覚的破壊力が凄まじい。一方でコロナ禍でのアジア人敵視があったからこそ、レッテルを張った人を攻撃・誹謗中傷する事に悦に入る人ほど、自分を消した薄っぺらな仮面をつけている事に気づかない事への指摘は強烈なカウンターとなる。淡々と紡がれた舞台の閉幕めいた終わりが鮮烈だ。2022/10/07

こなな

61
月の三相とは、"新月""半月""満月"。月の光が変容を受け入れてくれる。面に惹かれて旧東ドイツの南マインケロートという街にやってきた3人の女性の名にも月が含まれている。面は、欺瞞を表し針鼠にも変貌する。髑髏もまた面である。抽象的な印象だが細かな描写であり想像力が掻き立てられ瞼に映像が映し出される。歴史に分断された少年、少女。フランクの拘りの蝶に結びつく物。トマスの蝶へのトラウマ。奇妙な『眠り病』という流行病。人魚姫や茨姫に例えられたり、いくつもの次元が交差するような記憶と時間が刻まれた肖像面の物語。2022/11/16

もぐもぐ

39
気を緩めるとすぐ迷宮に置いていかれるような文章で、久しぶりに緊張感のある読書になりました。旧東ドイツの街、南マインケロートでは人々が10歳になると面を作り、そこに刻を重ねていく。面に引き寄せられ街に移り住んだ月に纏わる名を持つ三人の女性を中心に紡がれる物語の中で、東西ドイツの分断の過去や、土地に紐づけられた暗い影も浮かんでくる。静かに話が進み美しい終わり方。私は文体も世界観も大好きですが、またしても好き嫌いはっきり分かれる作品だと思いました。川名潤さんの装幀は今回も素敵。2022/11/13

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