出版社内容情報
森 博嗣[モリ ヒロシ]
著・文・その他
萩尾 望都[ハギオ モト]
原著
内容説明
ユーリに手紙を遺してトーマは死を選んだ。美しい下級生の死は、良家の子息が通う寮制高校の生徒たちに影を落とす。そんな時に現れた転校生・エーリクはトーマに生き写しだった。オスカーは遺された想いに縛られた親友・ユーリを憂慮する。愛と死に彩られた萩尾望都の名作に、森博嗣が新しい息吹をもたらす!
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
作家、工学博士。1957年12月生まれ。名古屋大学工学部助教授として勤務するかたわら、1996年に『すべてがFになる』(講談社)で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
63
確かノベルス版で読んでいたと思うので、実質的には再読。一番の森作品らしい仕掛けは覚えていた。森さんは萩尾作品に影響を受けているはずなので、最高のマッチング。詩的な世界。2022/08/20
Shun
38
原作は未読。漫画家の萩尾望都による同名コミックを、作家の森博嗣が小説化。コミックをあまり知らない私でも萩尾望都という名はSF談義等で知り、日本漫画の黄金期を築いたレジェンドという認識。その漫画の名作を森博嗣というミステリ作家が小説化したらどんな作品になるのか。個人的に森博嗣さんの書くものには理系的な感性と独特な文体をもった小説という印象を持っていて、原作が扱っているであろう少年たちの純粋さや愛と苦悩というテーマを描くのにとても相応しい書き手だったのではないかという感想です。思わず溜息が漏れそうになる作品。2022/08/17
なつくさ
35
森さんのこういう文章が好きだ。いつも頭に浮かぶのは静かな水の中を揺蕩っている感じ。水中は深いのだけれど、光が透き通っている。頭がスッとし、心がふわっとする。だから、疲れた時は森さんの文が無性に読みたくなる。トーマの心臓は萩尾望都さんの漫画を小説化したもの。西之園都馬の話ではない。原作は未読。森さんが珍しくあとがきを書き、神と崇める萩尾さん。原作とはやはり違うらしい。トーマの心臓の題名の意味も結局、分からないままだ。だから、原作を読みたくなる。そういう誘導だろうか。その作戦は少なくとも僕には有効のようです。2022/10/01
kieth文
16
読後すぐに萩尾望都さんの原作漫画を読み直した。ずっと以前に読んで忘れてたし、あの頃はただ少年たちの綺麗なわちゃわちゃを読んでた気がする。 原作の方がより宗教観が強いかもしれない。あとオスカーの印象も違う。 そして森博嗣さんの描き方も少年の純粋で透明な気持ちが綺麗だった。2022/11/08
いづむ
13
作品名は知っていたけれど、萩尾望都先生の原作を読まずに本作を読みました。学校の寮を舞台に、誰もが通るであろう人生の繊細な時期を描かれていて、この年齢で読んでいたら自分と周りの世界との関わり方と照らしてどんなにか苦しく夢中になっていただろうと思いました。すべてに傷ついてすべてと戦っていたような気持ちだったあの頃をちょっと思い出し、漫画も読んでみたくなりました。2022/10/19
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