出版社内容情報
日本文藝家協会[ニホンブンゲイカキョウカイ]
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内容説明
2021年の1年間に文芸誌などの媒体に発表された全短篇のうち12篇を厳選。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
路地
54
こんな本が毎年出ているとは知らなかった。収録作のうち半分くらいは雑誌掲載時に既に読んでいたので、その他の作品を楽しむ。純文学誌掲載作品といえど、各作品の性格は様々。 酉島伝法さんの「もふとん」とんでもない発想がとても 面白かった。膚団に出会ってみたい。。 乗代雄介さんの「フィリフヨンカのべっぴんさん」同じ伯母と姪が登場する他2作品よりも圧倒的に短い作品ながら、一番別れの悲しみを感じさせられたことに驚く。2022/09/12
けんさん
33
『2021年・年間傑作短篇アンソロジーをあなたに…』 【あらゆる境界線を相対化し、人間存在の根本を問おうとする、この国の文学状況を1冊で俯瞰する】というキャッチコピーはさておき、バラエティに富んだ短編集で、楽しく読了。【もふとん】がよかった!!2022/08/14
いちろく
19
2021年に文芸誌で発表された作品の中から選取された12人の作家の12の短編。何人か気になる作家がいて手にした一冊。人工子宮の発達と出生率の低下により男性も出産の義務がある世界を描いた高瀬隼子氏のSF短編「休学(国産のため)」から、独特な世界観と描かれる登場人物像に驚く。紗倉まな氏をはじめ初見の作家の作品を読めたことも嬉しい。全作読み終わってみたら、私には固有名詞が印象残った作品が多かった気がするアンソロジーでもあった。2023/09/30
アオ
8
日本文藝家協会が毎年編んで読者に贈る年間傑作短篇アンソロジー。あらゆる境界線を相対化し、人間存在の根本を問おうとする、この国の文学状況を1冊で俯瞰する。知らない作家さんもご無沙汰だった作家さんもいてどれもテーマと内容が複雑にでも綺麗に紡がれていてとてもおもしろかった。江國さんはやっぱり最高だなと再確認し、千葉雅也さんや田中慎弥さんは気になってはいたがなかなか読めていなかった作家だったのでここで読めたことは良かったと思う。LGBTQ、夫婦別姓、少子化対策。今日本で直面している課題を作家の目で体感できる一冊。2023/01/31
ムーミンママ
4
アンソロジー。読んでいた作品も何編かあったけれど また違った味わいが感じられた。2023/03/10