出版社内容情報
綾辻 行人[アヤツジ ユキト]
著・文・その他
目次
かつて異端の研究者が住み、謎の死をとげた“星月荘”。今や廃屋同然のその家を若者たちが訪れた夜、ドアに八つの鍵がかかった密室内で、世にも凄惨な事件が勃発する!表題作ほか、「赤いマント」「洗礼」など単著未収録の作品を網羅。異色の実名小説「仮題・ぬえの密室」を追加収録した増補・完全版。
著者等紹介
綾辻行人[アヤツジユキト]
1960年京都府生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院修了。’87年に『十角館の殺人』で作家デビュー、“新本格ムーヴメント”の嚆矢となる。’92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。’18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナルピーチ
180
ミステリーにホラー、幻想世界と三拍子揃った綾辻ワールド!抜群の吸引力に今宵も惹き込まれていく。オススメは表題作でもある『人間じゃない』得体の知れない存在への圧倒的な恐怖。何が起きているのか分からぬまま恐るべき惨劇が繰り広げられていく。一転して『仮題・ぬえの密室』では綾辻邸に集った京大ミス研のサークルメンバー(名だたる作家さんばかり)による実話?!の様なテイストで書かれた短編作。作家さん達との関係性が惜しげもなく見て取れるのが実にいい。過去の未収録作品を集めた“綾辻行人的謎物語”を多いに堪能する事が出来た。2022/12/08
yukaring
98
単行本を持っているが追加収録があると聞いたため文庫も購入📖『人形館』の後日譚にあたる「赤いマント」や不思議な世界観の「崩壊の前日」『深泥丘』の番外編である「蒼白い女」などホラーあり幻想ありミステリありの綾辻さんワールドの見本市。どれも面白いが表題作の「人間じゃない」がやっぱり一番。曰く因縁のある屋敷を若者達が訪れた夜に起こる凄惨な事件。不気味なタイトルがそのままこの物語を表している。そしてスッキリしない不穏な余韻が残るラストも好み。追加収録の「ぬえの密室」は打って変わって少しほのぼのするミステリだった。2022/08/16
mihya
81
遠田志帆さんの表紙が目をひく。色々詰め込んだ短編集。怖かったり、考えたり、楽しんだ。 『綾辻行人は揺るがない』(解説より) ああ、読んでない綾辻作品を読もう。一度読んだのも再度読もう。2022/08/30
NADIA
78
『人形館の殺人』の登場人物が絡むその後の事件などが収録された本格短編集。昭和が凝縮したホラー寄りな雰囲気の作品もあるのが綾辻っぽい。作者の大学時代の京大ミステリ研のメンバーたちと語らう「仮題・ぬえの密室」が特によかったかな。それにしてもすごいビッグネームぞろいだと改めて感心。2023/07/04
キナコ
69
ホラーミステリーもの。全6作品の短編。ライトミステリーに、ホラーが混じった感じかな。別冊の『眼球綺譚』でも出てきたキャラクターも再登場。また『7人の探偵』でも掲載されていた作品もあったが、改めて読むとやっぱり面白かった。2023/05/09