出版社内容情報
金子 信久[カネコ ノブヒサ]
著・文・その他
内容説明
「かわいい子犬画」はどのように成立したのか―国内外の美術館・博物館、プライベートコレクションから選りすぐりの116点が大集合!
目次
1章 海の向こうの子犬の絵(中国;朝鮮)
2章 日本の子犬の絵(中国・朝鮮系の子犬―俵屋宗達;狩野派・蕪村・若冲;応挙の子犬―リアルでかわいい子犬の登場 ほか)
3章 犬の美術あれこれ(禅と子犬;小林一茶;「八犬伝」には子犬がいっぱい ほか)
著者等紹介
金子信久[カネコノブヒサ]
1962年、東京都生まれ。1985年、慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。府中市美術館学芸員。専門は江戸時代絵画史。既存の美術史の枠に収まらない、ユニークな展覧会を次々と企画している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
160
表紙絵に魅かれて読みました。 猫程ではありませんが、子犬を中心に結構描かれているようです🐩🐕🐶 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=00003663492022/09/06
keroppi
79
図書館の新刊コーナーで見つけて。日本絵画を子犬という観点で見つめた絵画史。中国や朝鮮の影響を受けたことが始まりらしいが、西洋絵画ではあまり見られない子犬が主役の絵画、実に可愛らしいのだ。犬は、常に人といたということだろうか。俵屋宗達が、こんな子犬の絵を描いていたんだと驚いたり、子犬というと、円山応挙や長沢蘆雪だよなと納得したり。仙崖の犬もいるし、北斎の犬の描き方指南もあるし、なかなか楽しくも勉強になる一冊だった。2022/12/30
フム
34
図書館の新着コーナーで。可愛らしい子犬の絵は眺めるだけでも楽しそうだ。読み始めると、思いの外面白い。著者が以前読んだ『猫と国芳』を書いた人だと気がついて納得した。 古くから人々は犬を仲間とし、愛してきた。枕草子にも翁丸という宮中に住む犬が出てくる。しかし子犬は古くから絵の題材だったわけではない。中国や朝鮮の子犬の絵を江戸時代の狩野派や宗達、若冲らが真似て人気が出た。中でも著者が日本のかわいい美術史上最強というのが、円山応挙の子犬の絵だ。かわいい決定的な瞬間を捉えたポーズと動き、演出が素晴らしい。堪能した。2023/03/23
yyrn
28
図書館の新刊本コーナーでたまたま見つけた本だが、これは面白かった。日本の古典画に描かれる犬はどれも、ちょっと品がなく卑しい生き物、正に犬畜生と呼ばれるような描かれ方をしているものが多くていつも残念に思っていたが、この本に取り上げられている仔犬の絵はどれもチョーかわいいw。最近の人が描いたような可愛さで、なんなんだ、この成犬との扱いの差は?と悩んでしまうほどの可愛さなのだ。狩野派の皆さんも、俵屋宗達も、与謝野蕪村も、そしてキーマンの円山応挙はもちろん、伊藤若冲でさえ、仔犬を可愛く描いている。なあーんだ、⇒2022/11/05
ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
20
可愛い子犬の日本絵の歴史。日本画ってほぼ知らないに等しいが、丸っこい子犬なら作者を覚えやすいかも。丸山応挙とその弟子は本当に子犬を書くと似ている。2022/12/20