出版社内容情報
武内 涼[タケウチ リョウ]
著・文・その他
内容説明
月山富田城を奪還した尼子経久は、出雲統一のための戦いに乗り出す。そこに立ちはだかるのは、出雲最大の領主・三沢一門。「真の下剋上」という大望のため、経久は非情とも思える謀略と、容赦のない罠を幾重にも張り巡らせる。「謀聖」と称された英雄の、奇計・奇策の季節を描く書き下ろし歴史長編、第二弾。
著者等紹介
武内涼[タケウチリョウ]
1978年群馬県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。映画、テレビ番組の制作に携わった後、第17回日本ホラー小説大賞の最終候補作となった原稿を改稿した『忍びの森』で2011年にデビュー。’15年「妖草師」シリーズが徳間文庫大賞を受賞。’22年『阿修羅草紙』で第24回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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如水
26
2巻は月山富田城を奪取した直後から。さてどう領土を広げて行くか…と言う話かと思ったら違った💧出雲最大国衆、三沢家と隣接している尼子家。どう攻略して行くか?が本巻の中心です。この通りなら正しく謀『聖』。イメージ的にもっとドロドロとした戦いが…と思っていたのですが、一言で言うなれば『冷たい戦争』ですかね…そして最終局面で有る三沢七手組(三沢家の旗頭)との合戦。全ての準備を終えた経久は…『戦は戦の前に終わらすのだよ by信玄』並みの策略を見せます。アクマでも爽やか、清々しい、そんな経久が見られます👍2023/06/12
Book Lover Mr.Garakuta
18
(図書館本)(速読):数々に権謀術数を繰り出して、時代を生き残ろうとする主人公の姿を見て、凄いなと思う。幻聴さんは、この手の本はシュンサツ(1分以内)しなさいと妙な声が聞こえてた。2022/06/14
スー
16
7月山富田城の奪還し兄弟揃って結婚し出雲国最大のライバル三沢家を吸収するまでです。驚いたのが吉川国経の妹が尼子経久の妻で国経の娘が毛利元就の妻なんですね、二人とも鬼吉川の女性を妻にし皆で力を合わせようという政治を目指していたのは考え深く感じました。今回も一気読みでダレる事なく読めました。知謀に長けた三沢家を打倒する為に三国志の苦肉の策を仕掛けて主力を倒した後に心を奪い心服させ味方にするのは痛快だったけどこれが経久亡き後に尼子が衰退する原因になるのではと思うと何とも言えない心境になります。次も楽しみです。2024/02/07
モーモー
16
尼子を大きくした尼子経久の物語。同時代の北条早雲の話は知っていたが、尼子の話は始めて。 ドン底から這い上がる経久の知力は凄いです。 引き続き、3巻も読みたいですね2022/11/07
onasu
13
尼子経久の勃興を描いた2巻目。元日の奇襲で月山富田城を取り戻した経久は、出雲の地盤固めのため、奥出雲の大敵三沢氏の調略に取り掛かる。それは長期にわたり身方をも欺く危ない戦術だったが、見事一戦で片を付け、降伏交渉から心服させて臣下に加えることに。 この期の山陰の山間は銀山の他、鉄山も多く、繁栄していたよう。その間に経久は、初巻で出会っていた鬼吉川の娘さなを嫁に迎えた。 身分を問わず有能な者を召し抱えるとは、旧来の関係の否定だが、向後はそれも方便としていく姿も楽しみで、3巻目(既刊)も夜更かし必須。2022/10/13