出版社内容情報
令丈 ヒロ子[レイジョウ ヒロコ]
著・文・その他
内容説明
わたしは空花。小学5年生。本が大好き!本好きの友だちと楽しく過ごしていたのに、引っ越しして転校。新しい学校で、本の話をしたら、しーん…。おまけに体調をくずして入院することに。今、わたしにとって「いい感じのもの」は、病院の中にある「あおぞら図書館」だけなんだ。
著者等紹介
令丈ヒロ子[レイジョウヒロコ]
大阪府生まれ。嵯峨美術短期大学卒業。講談社児童文学新人賞に応募した作品で注目され、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん🍊
104
児童書なのでさくっと読めた、本好き、図書館好きな空花は入院中に病院図書館の存在を知り、懐かしい『長くつ下のピッピ』の開いたら、本の中へ引き込まれてしまう、そこで出会った少女アオは何者なのか、上手く行ってなかった転校先の学校生活と大好きな本の中での経験が空花の気持ちを変えて行く、赤毛のアンや小公女の中の本に出て来るお菓子やパンが美味しそうで、本好きなら1度は憬れる経験でした。2022/05/11
☆よいこ
98
児童書。YA。読書好きな元春空花(もとはるそうは)は小5の2学期に転校したけど、新しい学校図書館はさえないし読書好きな友達もいないし最悪。そのうえ病気になって入院することになり落ち込んでいた。少し回復したころ病院図書館を紹介され充実した本に喜ぶ。大好きだった名作全集を見ていたら、いい匂いに誘われ『長くつ下のピッピ』の本の中に引っ張り込まれる。本の中で出会ったアオと一緒に《お話の中うまいもの食べ食べクラブ》を結成した▽名作の食べ物が美味しそう。ピッピ/赤毛のアン/ポピンズ/小公女/秘密の花園▽良本2023/02/20
へくとぱすかる
93
電車の中で読みながらクライマックスに差しかかってしまい、涙をこらえるのに必死になってしまった。物語の半分ほどで、アオの正体をめぐって、空花(そらは)と同じような、ありがちな予想も湧いてくる。しかしそんなわたしの安直な予想を見事に覆してくれた。しかも感動のラスト。病院図書館ということばには、長期入院を余儀なくされている子どもという、静かなイメージが感じられるが、急病の空花(そらは)にとって、偶然に本との出会いがかなった、入院中でも感激する場所だったのだろう。アオとの出会いは空花にとって一生の宝になりそうだ。2023/01/10
はる
87
好みです。面白かった。病院に入院している内気な少女の成長と友情の物語。ある日、院内の図書館の本を開いた少女は、突然挿絵の中に引き込まれてしまう。そこで出会ったのは不思議な少女アオ……。魅力的な設定。アオの正体が気になって一気に読んでしまう。私も子供の頃、主人公の少女と同じ病気だったので余計に親近感。名作児童文学が物語の鍵になっているのもいいですね。優しいエンディングで、爽やかな読後感。2022/10/11
けんとまん1007
87
病院の院内図書館。利用することはなかったが、何度か覗いて、どんな本があるのかを観たことがある。その存在のありがたさ、こころが豊かになることを実感していた。そんな経験から、登場人物の心情もわかるつもり。そこに、子どもたちの日常も織り交ぜながらのファンタジーでありながら、それだけで終わらないのがいい。人は、どこかで逃げ込む場所があっていいと思う・・・だけでなく、そこから出ようとする勇気も少しあるといい。2022/07/13