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出版社内容情報
科学の歴史は思考実験そのものだ。偉大な先人たちはどのように問題設定し、どのように解決したのかを知り、科学的思考力を養おう!
内容説明
人類は未知のものに出会うたびに思考実験を繰り返し、なんとか前に進んできた。それは自然を極限状況まで追い込んで、隠している真理を「白状」させる行為だ。仮説をどう立てるかも、設定をどう変えるかも、頭の中では自由自在。そこに思考実験の面白さがある。人生の岐路においても有用となるその手法を、思考実験の「名作」を解析して学ぶ初の試み!
目次
第1章 思考実験を始める前に
第2章 実験とはなんだろうか
第3章 思考実験の進め方
第4章 思考実験の分類
第5章 批判と弁護のための思考実験
第6章 問題提起のための思考実験
第7章 判断や解釈のための思考実験
第8章 教育的な思考実験
第9章 意思決定と思考実験
著者等紹介
榛葉豊[シンバユタカ]
慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程修了。工学博士。家業の旅館経営と慶應義塾大学研究員を経て、1987~2002年、同大学非常勤講師。1991年、静岡理工科大学設置準備室を経て、同大学理工学部講師に着任。現在は同大学情報学部講師。専攻は科学哲学、科学基礎論、物理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
110
「思考実験」というと、トロッコ問題や各種パラドックスを面白おかしく紹介するという文系的な解説が多いが、流石にブルーバックスは、科学的推論法としての思考実験の意義を明確にしている。その典型が「仮説演繹法を実験なしで行うのが思考実験」という定義。「ニュートンのバケツ」が「マッハのバケツ」による反証を生んで一般相対性理論に繋がり、EPRパラドックスによるアインシュタインの挑戦が、逆に、局所実在論に対する量子論の優越を導く。思考実験を通じて成し遂げられた物理学の発展のダイナミズムを味わえる、いい本だと思う。2022/04/02
ドラマチックガス
14
様々な思考実験の紹介と解説。ブルーバックスだけあって、解説のかなりの部分はわかったふりで逃げるしかなかった。ただそれでもかなりわかりやすかったと思う。アインシュタインとボーアの「光子箱」の思考実験。別の本で読んだときは屁理屈の応酬に見えたけど、やっぱり噛み合っていなかったらしい。でもアインシュタインが引いたということは、アインシュタインもよくわかっていなかったのかな?2022/03/26
テツ
11
誰もが知っているであろうトロッコ問題のような倫理学的な方面から考えさせる思考実験よりもシュレーディンガーの猫のような量子力学的なお話が多く語られている。著者が理系の科学者だということで納得。物事から無駄な部分を極限まで削ぎ落とし現実的にはありえない本質の部分を絞り尽くして思考を積み重ねていく過程って、文系理系に関係なく研究者の方には大切な力を養ってくれるんだろうな。ぼくら一般人はそれをエンタメとして楽しみ消費するだけなので何となく申し訳なく感じる。2023/12/07
リットン
11
量子力学の思考実験なんかはぜんぜんよくわからないけど、ミクロな世界を突き詰めていくとそれと現実がうまくマッチしないみたいな話は面白いなぁと思った。思考実験と言っても、そういう物理学的なこともあれば、トロッコ問題のような倫理学的な問題もあっていろいろあるんだなぁと感じた。2023/05/08
はぐ
7
さまざまな思考実験の特徴と実例が記されていて、目的に応じた考え方を知ることができる。頭の良い人たちはこういうふうに考えているのか、と、頭の中を見せてもらったような感じだ。2022/07/29
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