講談社文芸文庫<br> 半島

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講談社文芸文庫
半島

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  • サイズ 文庫判/ページ数 377p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784065266786
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

勤めていた大学に辞表を出し、寂れた島に仮初の棲み処を求めた迫村。月を愛でながら己の影と対話し、南方から流れついた女と愛し合い、地下へ降りて思いがけぬ光景を目にし、現実とも虚構ともつかぬ時間が過ぎていく。この自由も、再生も、幻なのか? 耽美と迷宮的悦楽に満ちた傑作長篇。読売文学賞受賞作。

内容説明

ある半島と橋でつながる、寂れた小さな島。勤め先の大学に辞表を出した迫村は、かつて訪れたその島に漂い流れるように仮初の棲み処を定めた。月を愛でながら己の影と対話し、謎めいた女と愛し合い、かつての教え子と再会し、地下で思いがけない光景を目にする。虚と実が渾然とした時間の流れの中で、行き着いた先は―。迷宮的な悦楽と思索に満ちた傑作。読売文学賞受賞作。

著者等紹介

松浦寿輝[マツウラヒサキ]
1954・3・18~。詩人、小説家、批評家。東京生まれ。東京大学教養学部教養学科フランス分科卒業、同大学院人文科学研究科フランス文学専攻博士課程中途退学。パリ第3大学博士学位取得。東京大学教養学部外国語科助教授等を経て、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻教授。2012年3月、退官。1988年『冬の本』で高見順賞、95年『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、96年『折口信夫論』で三島由紀夫賞、『平面論―一八八〇年代西欧』で渋沢・クローデル賞平山郁夫特別賞、2000年『知の庭園』で芸術選奨文部大臣賞評論等部門、同年「花腐し」で芥川賞、2005年『あやめ 鰈 ひかがみ』で木山捷平文学賞、『半島』で読売文学賞、2009年『吃水都市』で萩原朔太郎賞、2014年『afterward』で鮎川信夫賞、2015年『明治の表象空間』で毎日芸術賞、2017年『名誉と恍惚』で谷崎潤一郎賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞、2019年、日本藝術院賞、同年『人外』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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かずぺん

4
不思議な展開の小説でした。不快感は無く読み進めました。何かわからないけど心に残りました。2022/04/18

ねね

2
すごく良いたゆたうかんじ2022/11/23

スリルショー

1
自由を求めて大学を辞職した主人公が瀬戸内の小島に来るのだが、自由の在処がわからず、小島で幻想的な体験を通して彷徨うと言った物語。自由を求めて飛翔しようと占い師や怪しげな女性、動物、風景との交流は、はっきりとは伝えてこない会話の中で自身の未来、行き先を考えざるを得ない。自分探しをしている主人公と追体験をしているうちに、終盤に差し掛かかるに従って、いったいこの小説は何なのか?という疑問が湧いてくる。巻末の解説を読んで一応の納得はするが、結局自由なんてどうでも良くそれぞれの独立した章にテーマが与えられている。2023/01/15

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