出版社内容情報
酒井 隆史[サカイ タカシ]
著・文・その他
内容説明
仕事とは何か?悩み苦しむすべての人へ。誰も見ない書類を作成する事務、上司の虚栄心を満たすだけの部下…資本主義や効率化が進めば進むほど無意味な仕事が生まれる「不思議」。『ブルシット・ジョブ』翻訳者が贈る特別講義!世界的現象の「謎」を解き明かす―
目次
第0講 「クソどうでもいい仕事」の発見
第1講 ブルシット・ジョブの宇宙
第2講 ブルシット・ジョブってなんだろう?
第3講 ブルシット・ジョブはなぜ苦しいのか?
第4講 資本主義と「仕事のための仕事」
第5講 ネオリベラリズムと官僚制
第6講 ブルシット・ジョブが増殖する構造
第7講 「エッセンシャル・ワークの逆説」について
第8講 ブルシット・ジョブとベーシック・インカム
おわりに―わたしたちには「想像力」がある
著者等紹介
酒井隆史[サカイタカシ]
1965年生まれ。大阪府立大学教授。専門は社会思想、都市史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おたま
93
デヴィッド・グレーバー著『ブルシット・ジョブ』の要点を的確に伝えようとする書。「ブルシット・ジョブ」とは、作業定義として「被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でさえある有償の雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、被雇用者は、そうではないととりつくろわねばならないと感じている」。こうした仕事、よく考えると身の周りに溢れかえっている。この報告書は無駄だと思いながら書く、この会議は不必要だと思いながら発言する、そしてそれによって何も変わらない。⇒2022/11/02
hit4papa
91
人類学者古デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ』の訳者による解説書。著者の論考を加えてはいるものの、日本ならではの観点が少なくテキストを元に授業をしているような印象を受けます。“クソどうでもいい仕事”の(暫定的)定義から、事例、その成り立ちまで首肯せざるを得ません。ただ、人は意義がなければ働いていけない、というのは正しいでしょうか?一読では読み解けない部分はあるものの、日本語が洗練させており、一つの考え方として読んで損はしません。タイトルから、もっと溜飲が下がるかとは期待したところはあるけれど…。2023/02/08
belalugosi6997
74
私の仕事はブルシットジョブです。以下BSJ。定義にこだわりを持っているらしく、新自由主義とネオリベラリズム(以下ネオリベ)の違い、ベーシックインカムとユニバーサルベーシックインカムは違うらしい、私にはどちらがどう違うのかはわからなかった。興味を持ったのはBSJ はネオリベに含まれるらしい、日頃はムダをなくせと叫んでいる連中が実はムダを作り続けているということである。つまり、ネオリベ=共産主義⇒アナーキズム、納得です。BSJの痛いのはどうでもいいだけでなく、稼げば稼ぐほど社会を壊すと言う最悪の結果なのである2023/01/27
saga
59
久松達央著『農家はもっと減っていい』で知ったブルシット・ジョブ(BSJ)。グレーバーが著した原典ではなく、まずは解説書を手に取った。ケインズが予言した週15時間労働が、最新技術を駆使すれば可能なのに、BSJがそれを妨げている。社会的価値と市場価値の反比例は衝撃的だ。エッセンシャルワークが過酷で低所得という理由もBSJ論で説明されている。ベーシック・インカムも、本書を読む前はその在り方に疑問があったが、BSJをなくすためには必要なのかも知れないと思えてきた。2023/03/23
tsu55
57
子供のころ読んでいた少年雑誌に、数十年後には、つらい仕事は機械に任せ、人間は芸術やスポーツなどで余暇を満喫できる世界になるという記事が載っていた。あれから60年、科学技術は発展し、世界の富は、大いに増えたはずだが、今の世の中のありさまはなんなんだと、疑問に思っていたのだが、本書を読んでストンと腑に落ちた。これはいずれ、デビッド・グレーバーの『ブルシットジョブ』も読まにゃならんな。2022/10/31
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