出版社内容情報
坪田譲治文学賞作家の書き下ろし最新作。
簡単には治らない病気のため、長期間の入院をする子どもたちが学ぶ「院内学級」。国立かがやき子ども病院に入院中の一健(いっけん)や昴(すばる)、早弓(さゆみ)や日彩(ひいろ)たちは、同じく入院中の良志(りょうじ)が自分で考えたお話を聞くのを楽しみにしている。
談話室で良志は、「竹やぶに入ったおじいさんが……」と語り始めたものだから、聞いているみんなは、てっきり、『かぐや姫』なのかと思ったのだが、何かをしでかしたために月の国から追放された王女が、月に帰るために地上で罪をつぐなうという物語だった。王女は熱をうばわれた冷たい手で火事を消したり、病人の熱を吸い取ったり……。オリジナルの冒険ストーリーに興奮して、「さあ、王女は月に帰れるのか?」と、みんなが盛り上がったところで良志は疲れて寝てしまい、結末はわからずじまい。
とっても続きが気になるところだが、林田先生は、この王女がどうなったのか、それぞれ考えてきなさいと道徳の宿題にしてしまった。
でも、良志は、このお話をノートに書きとめていた。それさえゲットすれば、気になる話の続きもわかるうえに、宿題までできてしまう! 病院のだれかが、どこかにかくしてしまったノートを探すため、一健たちはお医者さんや看護師さんたちの目をかいくぐって、宝探しの大作戦を決行することにした!
内容説明
「国立かがやき子ども病院」の院内学級には、小児ぜんそくや白血病など、さまざまな病気が原因で、長期間入院している子どもたちが通っている。そんな彼らの数少ない楽しみのひとつが、お話を作るのが上手な良志の創作物語をきくこと。ある日、看護師さんがモデルとなった“氷の王女”の物語の続きが書かれたノートが消えてしまった。隠されたノートを探し出すため、お医者さんや看護師さんたちの目をかいくぐって「財宝を手に入れる」計画は、無事、成功するのだろうか!?
著者等紹介
まはら三桃[マハラミト]
1966年、福岡県北九州市生まれ。2005年、「オールドモーブな夜だから」で第46回講談社児童文学新人賞佳作に入選し、翌年、『カラフルな闇』と改題して刊行。2011年に『おとうさんの手』(講談社)が、2016年に『白をつなぐ』(小学館)が読書感想画中央コンクール指定図書に選定される。『鉄のしぶきがはねる』(講談社)で2012年に第27回坪田譲治文学賞、また第4回JBBY賞を受賞した。2018年、『奮闘するたすく』(講談社)が青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選定される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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