出版社内容情報
坂倉 昇平[サカクラ ショウヘイ]
著・文・その他
内容説明
職場のいじめで精神障害を発症した件数が、この11年で10倍に!膨大な数の「いじめ・嫌がらせ」相談を受けてきた著者が、実例を紹介しながら、その背景を分析。長時間労働、重い仕事の負担…、過度な圧力に晒された職場で、多発!職場いじめは、日本社会の構造的問題だ!!
目次
第1章 近年の職場いじめの特徴
第2章 過労職場の暴力を伴ういじめ
第3章 保育・介護職場のいじめ
第4章 発達障害者へのいじめ
第5章 労働組合いじめ
第6章 経営服従型いじめのパターンと歴史
第7章 職場いじめはなくせるか
付録 職場いじめに悩む人への実践的アドバイス
著者等紹介
坂倉昇平[サカクラショウヘイ]
1983年生まれ、静岡県出身。ハラスメント対策専門家。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。2006年、労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」を設立。08年、雇用問題総合誌「POSSE」を創刊し、同誌編集長を務める。現在は「POSSE」理事として、年間約五〇〇〇件の労働相談に関わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
132
いじめの具体的内容、労働環境との関係、職場に与える効果を検討。収録案件はどれも"今すぐ社外の労働相談口へ!"的なハラスメントの典型例と改善への苦難の道で表現や構成が平明で読みやすい。競争規制が脆弱で合理・資本主義が先鋭化した今日の日本はいじめも発達障害も労働環境の過酷化が大きな根源となっており、やり口も子供じみた次元へ退行する。「経営服従型いじめ」は本書の重要概念。利潤・統制追求へ走る会社側に放置するデメリットを自覚させるために、他人任せをやめた労働者の権利行使を訴える結びが全体主義風刺と重なるのは必然。2023/05/11
kinkin
122
いじめ・・・・私もある若造からガン無視され中。でも他の人とはそんなに気まずくないのでいじめと呼ぶには大したことがないかもしれない。大人のいじめ、本を読むと面白がるいじめもあれば、パワハラまで実に様々なのがある。それが介護や保育、教師などに多いようだ。その背景にあるのは日本という国が変な成果主義やマニュアル主義を唱えるようになってから増えた気がする。仕事が本来の仕事よりかけ離れたルールや人芸関係のほうが主になってきているのではないかな。仕事から帰ってくると体よりも心の疲れが大きいのは私だけ?図書館本2021/12/09
今ごろになって『虎に翼』を観ているおじさん・寺
87
良書。『大人のいじめ』といっても、地域やネットのいじめ等は無く、職場のものに限っているので『職場のいじめ』が正しいタイトルかも知れない。故に勤め人は必読。本書によると、今や労働相談の大半はいじめ・ハラスメントだそうである。正直、暗い関心で読み始めたのだが、数々の実例を読むとつらくて気の毒でならない。いじめの多い職場の筆頭が保育・介護だそうだが、これは私も実感としてわかる。多いのだ。基本的に介護の問題は利用者より介護者による所が大きい。見過ごせないのが職場での発達障害いじめ。酷い。世に本当の大人は稀なのだ。2021/11/25
GAKU
46
職場で発生するイジメは、企業体質に大きな要因があると実感した。2022/03/23
まゆまゆ
18
人格を否定したり暴言を吐いて精神的に追い詰めたり、仲間はずれをしたりなどといった職場で起こるハラスメント、すなわち大人のいじめはなぜなくならないのか、を様々な事例を紹介しながら考察していく内容。みんな職制や職域に関わらず仕事と割り切って仕事をしている中で、その他ストレスを身近な人に対して向けている、ということだけが原因ではない。もっと根本的な何かが隠れている気がするけど……現状では外部に相談するしか解決策がなさそう。2022/04/05