大江健三郎と「晩年の仕事(レイト・ワーク)」

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大江健三郎と「晩年の仕事(レイト・ワーク)」

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  • サイズ 46判/ページ数 482p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065260425
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報



工藤 庸子[クドウ ヨウコ]
著・文・その他

内容説明

ノーベル文学賞受賞後、大江健三郎ほど多くの、そして並外れて優れた傑作を書きつづけた小説家はいない。いったい、この底知れない創作力の根源には何があるのか。大江文学に魅了されたフランス文学者が、「女たち」の声を手がかりに、精緻な「読み直し」で大江=世界文学の先見性と深淵に迫る、力作長篇評論!

目次

序章 読みなおすこと
第1章 『取り替え子』―人生の窮境と小説を書くこと
第2章 『憂い顔の童子』―セルバンテス、ジョイス、古義人
第3章 『さようなら、私の本よ!』―テロとエリオット
第4章 『〓(らふ)たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』―女たちの声
第5章 『水死』―「戦後民主主義」を生きる
第6章 『晩年様式集』―カタストロフィー、そして「最後の小説」
終章 「戦後の精神」について

著者等紹介

工藤庸子[クドウヨウコ]
1944年生まれ。フランス文学者、東京大学名誉教授。東京大学文学部フランス語フランス文学専修卒業、同大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。フェリス女学院大学助教授、東京大学教養学部教授、東京大学大学院総合文化研究科教授、放送大学教授等を歴任。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

22
実を言うとわからなかった。だが、わかったふりをしたいとも思わない。極めて真摯に書かれたしなやかな評論だと思う。柔軟にサイードやエリオットなどのテクストを引きつつ著者はこの語りにくい(だが、ひとたびツボに嵌ってしまうと極めて批判・罵倒しやすい)大江健三郎の世界に入り込む。わからなかったにも関わらず読み進められたのはこの書き手が読み直すことと書くことを楽しんでいるからだろう。そのヴァイブはポジティブにこちらに伝わってきて、私も(到底この読みに太刀打ちできないにしても)大江を再読したくさせられる。温もりを感じる2022/04/07

かふ

20
大江健三郎の「晩年の仕事」、『取り替え子』から最後の小説『晩年様式集』まで、大江健三郎がそれまでの文学をリリーディング(読み直すこと、バルトの概念。)することによって自身の作品をリライト(再話)していく方法をたどりながら大江文学を解読していく。最初にあるのが『ドン・キホーテ』のパロディの手法。そして詩を書きたかったという大江が英詩を読み解きながら、自身の物語に織り込んでいく手法など世界文学として開かれた読みを誘う。それはサイードの現代思想の対話から辺境にあるコロニアム性というものからの脱却していく私という2023/09/03

hasegawa noboru

19
<大江健三郎の晩年の仕事(レイト・ワーク)は、近未来の死(個人にとって決定的なカタストロフィー)と向きあって、すでに生きられてしまった芸術家の生をいかに語るか、という困難な課題に取り組むもの>と概括する。なかでも『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』は<三・一一のカタストロフィーとのぬきさしならぬ同時性が、息苦しいほどの緊張を孕んで造形され>作家の<内発的な動機に応えるもの>としての<形式の冒険がある>と読み解く。これほど<手を替え品を替え、他者の言葉を導入しようと試みる例を、わたしは他に知らない>と、2023/03/20

タイコウチ

11
「取り替え子」から「晩年様式集」に至る大江健三郎の〈晩年の仕事〉である長江古義人シリーズを読み解く評論。それぞれの作品で参照されている海外文学(ドン・キホーテからサイードまで)の読み直しを通じて、大江作品における重層的な世界観の成り立ちについて、映画における副音声のように作品に伴走する文章は、まるで軽やかに舞う蝶のようだ(作中の大江研究者ローズさんにもイメージが重なる)。自らの作家生命の終わりを意識しつつ、311直後の現実の混沌を背景に、「私小説」の形式から私=語り手=作家を消滅させる試みとしての最終作!2024/02/20

belier

2
緻密な読みに圧倒された。大江の「晩年の仕事」を再読する際にはこの本も再読しなければならないかな。2022/12/30

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