出版社内容情報
規格外の新主人公(ニューヒーロー)誕生!
すべてを失った男に舞い込んだシンプルな「超難問」
「娘が幸せかどうか確かめてきてほしい」
1億円の行方と、謎の女と、仕掛けられた過去。
冒険は、この依頼から始まった。
俺の幸運は、不幸の始まり……の、はずだった。
元売れない俳優で元起業経営者。元犯罪被害者で元受刑者。
納得しようのない罪での服役を終えた加納健太郎への奇妙な依頼は、彼を運命の女(ファム・ファタール)へと導いた。
笑い、驚き、涙する。すべてが詰まった究極のエンターテインメント!
内容説明
一億円の横領犯を捕まえるときに死なせた罪で三年間服役した、売れない俳優・加納健太郎。出所するなり老境の大御所脚本家から「娘が幸せかどうかを確かめてきてほしい」と頼まれた。その女性を捜すうち、今までなおざりにしていた自分自身の人生と向き合うことに。映画への愛が溢れる大人の感動ミステリ。
著者等紹介
木内一裕[キウチカズヒロ]
1960年福岡生まれ。’83年、『BE‐BOP‐HIGHSCHOOL』で漫画家デビュー。2004年、初の小説『藁の楯』を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
161
ハードボイルドに軽めとかあるのかどうかしりませんが、まさにそんな感じで、サクサク読めます。 ある女性を探す事になるので、これからどんな試練が待ってるかと思ったら、拍子抜けするほどの展開で、なんとなく正解にたどり着くんです。それだけのことです。 それから、かなり重要な位置を締めている『日菜』という女性、あと全体的な世界観が狭い感じです。 そのへんが明らかにされた続編があるんですかね。 2022/09/05
shincha
44
主人公は、役者崩れの前科者カノケンこと加納健太郎。彼の出所日からストーリーが展開される。これを聞いただけで木内さんの世界に引き込まれるでしょ?父親の急死を受け、不本意ながら継いだ小さな会社。一番信頼していた父親の右腕的な人間に裏切られて、会社の金を持ち逃げされる。出所したカノケンに絶世の美女の調査依頼が舞い込む。次から次へと降り掛かる災難。最後にわかる人の気持ちの深さ。この作品は、映像化されたら面白いだろうなぁ。と配役を考えながら読み進めた。木内さんの映画への、その制作者への愛が感じられる作品でした。2024/08/09
ヤジマ
42
主観点 9.0/10 腕っぷしの強い元俳優、元受刑者のカノケン。アウトロー要素はそこまで濃くなかったが、カノケンの魅力が光った一冊だった。タバコ吸いまくるしすぐソープ行くしで素行は不良。脳内キャストはエンケンだったけど、もうちょっと若いよなあ。ぶっきらぼうな感じが少し矢能と似ていて、アウト&アウトの映像版がちらついたのかもしれない。また、木内さんの映画愛が色濃く反映した作品でもあった。カノケンというキャラクターはその愛の造形なのだと思う。伏線回収も腑に落ちるもので読後感も良好。続編を切望します。2022/12/28
SHADE
29
凄く面白かった!主人公が動く度に過去の事件の真相が解明され、取り巻きの人達の問題がスピーディーに伏線回収されていく。種類の違う魅力的な登場人物達が、良くこのひとつの物語に共存できるなあという印象。一気読みだった。 主人公のハードボイルドテイストは、『俺』が主体の一人称小説から成る物だろうと思った。80年代の日本映画を観たような、どこかセンチメンタルな読後感で心地好い。2023/02/26
Junichi Yamaguchi
29
『恥をかくのを恐れなくなれば、人生は楽しくなる』… 久々、木内さん。 内容的にはらしくない作品に感じたが、読みやすさは相変わらず。 「ラッキーは不幸の入り口」と考える主人公に少しだけ共感しつつも次作では、いつも通りの疾走感を味わいたい。。2021/11/29
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