出版社内容情報
ずっとずっと好きで仕方がない、僕の初恋の女の子。でも僕の告白はいつだって笑ってかわされる。この気持ちをどうしたらちゃんと、分かってもらえるのだろうか。表題作をはじめ、思春期のあの頃、誰もが直面したあの壁に、恋のパワーで挑む甘酸っぱすぎる作品集。
内容説明
彼女、「林檎」への恋に気づいてから僕はまっしぐら。何度想いを伝えても彼女は応えてくれないが、それでいい。しょうがない。好きになったのはその子なのだ!恋心の赴くまま突き進む主人公を描く表題作をはじめ、天才に恋した「凡人」美大生や、自らの夭逝を信じていた少年の恋路を辿る、最強の恋愛小説集。
著者等紹介
舞城王太郎[マイジョウオウタロウ]
1973年、福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』で第19回メフィスト賞を受賞しデビュー。’03年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さくら★もち
24
表紙が可愛いな、と思い手にした1冊。3編の恋愛小説。登場人物がみんな頭が良くて、青春のキラキラと陰鬱な理屈の狭間でもがいてる。好きというシンプルな感情が、自分という存在への自信のなさから捻れまくってしまう様が、若者には刺さるのかもしれないなぁ。1話目と3話目の女性陣の狡さはけっこう癖になる。またそのおかげで、2話目の主人公がすごくピュアに感じた。あまり読まないタイプの物語だったから面白かった。2021/11/16
こばゆみ
9
中学時代の自意識過剰っぷりが文学的に愉しめるお話。いや、お話なのか?(笑) こういう本はゆっくりじっくり読みたいな〜2021/12/16
eyemu
8
女性がとても思わせぶり。 同じ女性として羨ましい。 そんな感じの、ピュアな狡猾者たちの話。2023/10/03
huraki
7
恋心を止められないままひたすらに彼女への想いを伝え続ける主人公を描いた表題作を含めた短編集。たとえこの想いが伝わらなかったとしても。一途で純粋な登場人物たちの気持ちが、真っすぐ胸に飛び込んでくる。恋愛を通して得た喜びや悲しみ、時に葛藤し選んだ選択は彼らの中に忘れることのない感情として残り続けるのだろう。前向きだけれど少しだけ切ない「僕が乗るべき遠くの列車」が特に印象的だった。2021/11/28
奥山 有為
6
2018年、単行本版を読書メーター献本プレゼント企画で当選し頂きました。感想をたぶん単行本の方に書いたのか?見れなくなっており、もう一度登録いたしました。ありがとうございました。出会ってすぐ「舞城作品おもしろいよね」の会話をきっかけに結婚に至った私と夫にとって大変嬉しいものでした。貴重なサイン入りの書き下ろし短編(内容はネタバレ厳禁とのこと)も家宝です。2024/03/02