出版社内容情報
林真理子、38年ぶりの書き下ろし。一生に一度、描かずにはいられなかった物語。
内容説明
男は世界的な写真家、女は梨園の妻―生前、桂一は博子に何度も言ったという。「僕たちは出会ってしまったんだ」出会ってしまったが、博子は梨園の妻で、母親だった。「不倫」という言葉を寄せつけないほど正しく高潔な二人―。これはまさしく「奇跡」なのである。私は、博子から託された“奇跡の物語”をこれから綴っていこうと思う。一生に一度、林真理子が描かずにはいられなかった愛の“奇跡の物語”。
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒。’82年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が大ベストセラーに。’86年「最終便に間に合えば/京都まで」で第94回直木賞を受賞。’95年『白蓮れんれん』で第8回柴田錬三郎賞、’98年『みんなの秘密』で第32回吉川英治文学賞、2013年『アスクレピオスの愛人』で第20回島清恋愛文学賞、’20年第68回菊池寛賞を受賞。’18年には紫綬褒章を受章した。小説のみならず、「週刊文春」や「an・an」の長期連載エッセイでも変わらぬ人気を誇っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
371
林 真理子は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者が書下ろしで挑んだノンフィクション恋愛譚、「奇跡」というよりも「純愛」というイメージでした。東京とパリと言うのも恋愛に火を注いだんでしょうね。実際はもっとドロドロしていたものを綺麗にまとめた感じです。 「事実は小説よりも奇なり」と言うことなんでしょうね。 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/925632022/03/07
いつでも母さん
196
梨園の実状など知る由もない。ましてやその妻が不倫からの事実婚を経て離婚成立と正式に再婚。そして、数年後に夫を看取る。本作は博子と田原「出会ってしまった」二人の物語だと言う。大変申し訳ないのだが、林真理子が綴らなければこれほど話題にはならなかったような気もするし、林真理子が紡ぐのならば、確かにあったはずのドロドロ感も読みたかったが、実名なので黙して語れない部分もあるのだろう。まぁ、私の知らない世界のキラキラした方々の当事者が言う「奇跡」あっという間に読めるが、はぁそうでしたか・・って感じだった。【辛口御免】2022/03/12
うっちー
177
話題作ということで読みました2022/05/05
のり
136
著者の友人でもある「田原博子」からの依頼を受けての一冊。梨園に嫁いだ博子と「田原桂一」との出会いが全てを変えた。単純に言えば不倫である。様々なしきたりに絡められながらも互いを必要とし、さらなる高みを目指したパズルピースのような二人。出会う順番が違っただけのベストパートナー。表立って言える事ではないが、周りのサポートも多々あったと思う。奇跡と必然が同居する。2022/08/19
美紀ちゃん
127
林真理子さんの本は、 「小説8050」が良かったので、 これも手にとってみた。 フィクションではなく実話というのが、 すごい。 田原さん以外は、実際に生きて活躍しているし。 読み途中で、人物の写真など検索しながら読んだ。 素敵な表紙は、世界的な写真家、田原圭一さんの作品。 「僕、死んじゃうよ。」という一言がとても印象的。 来世でも出会えるといいなと思った。2022/03/19