講談社学術文庫<br> 大乗仏教の誕生―「さとり」と「廻向」

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講談社学術文庫
大乗仏教の誕生―「さとり」と「廻向」

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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065237823
  • NDC分類 181.02
  • Cコード C0115

出版社内容情報

人びとを救いのない業報の束縛から解放する、恩寵と救済の宗教――大乗仏教は、どのような思想的変転の中から出現したのだろうか。「さとり」と「廻向(えこう)」という大乗仏教のキーワードを軸に、その独自の論理を解明していく。
「マーヤー夫人の処女懐胎」と「マリアの受胎告知」など、ブッダとイエスをめぐる説話に驚くべき類似がいくつも見られるのはなぜだろうか。本書はまず、仏教とユダヤ教、キリスト教など、西アジアの諸宗教の影響関係を聖典文献学から探る。なかでも、ペルシアに栄えたゾロアスター教がメシア信仰や阿弥陀仏信仰、さらに大乗仏教の成立に与えた影響に着目する。
また、自分の積んだ善業の結果を「さとり」という超世間的なものに転換したり、自己の功徳を他人に振り向けたりする「転換の思想」すなわち「廻向」は、「業も果も本質的には空(くう)である」という「空の思想」に支えられている、という。そして、この阿弥陀仏信仰と「空の思想」を両輪として、大乗仏教は育まれたのである。
原始仏教と他宗教を比較する広い視野から、難解な思想を平易に説き明かす。巻末解説を、チベット学の今枝由郎氏が執筆。
『「さとり」と「廻向」――大乗仏教の成立』(講談社現代新書1983年刊、人文書院1997年刊)を改題して文庫化。

内容説明

ブッダとイエスをめぐる説話に驚くべき類似がいくつも見られるのはなぜだろうか。キリスト教やゾロアスター教との比較思想史的観点から阿弥陀仏信仰の源流をたどり、「空の思想」に支えられた「さとり」と「廻向」の論理を解明していく。救いのない業報の束縛から人間を解放する、恩寵と救済の宗教―大乗仏教は、こうして出現した。

目次

序 心の三角形
1 ブッダとイエス
2 仏伝・福音書比較研究の衰微と復権
3 西アジアとインド
4 大乗仏教の出現
5 廻向の宗教
6 「空」のさとり
付論 仏教の終末論

著者等紹介

梶山雄一[カジヤマユウイチ]
1925年、静岡市生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。専攻は仏教学。京都大学教授、佛教大学教授のほか、海外でもハーバード大学、ウィーン大学などで客員教授を務め、2004年没。著書のほか、インド仏典の翻訳が多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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へくとぱすかる

60
新約聖書と大乗仏典の両方に、似たような物語が書かれているとき、どちらがどちらに影響したと考えるべきだろうか。単純に考えて、年代的に仏教からキリスト教、という流れと決めつけるのは誤りであり、実際に文字に書き起こされた年代を考慮するべきであるという。かくれていた東西交流だと考えるのも早急にすぎ、議論の流れはかなり慎重に進められる。後半は救済をめぐって、どこから大きな考えの転換が起こってきたかを解き明かす。釈迦が開いた仏教は、長い年月の間に予想もしなかったような展開を重ねて、現在に至っていることがわかる。2021/06/22

テツ

13
仏教の起源と大乗仏教の思想の成り立ちについて。仏道の修行とは本来とてつもなく厳しいものであって、言い方は悪いが無知無学無気力な民草に対して「これをやらなくちゃ救われない」等と押しつけたってできる筈がない。それなら利己と利他に同じように重きを置き丸ごとまとめて大勢を乗せて救ってやる。自己の解脱を優先するのではなく、おまえらを先に救済してやるという考え方に至る。宗教アレルギーの方々にはなかなか信じて頂けないけれど、仏教に限らず宗教は人を救いたいのだ。そのために知恵を絞ってきたのです。2023/10/17

yamahiko

12
著者は第一義空経を引き「…眼をはじめとするすべてのものは、来たる処も去る処もなく、ただ原因と条件がそろえば生じ、原因・条件が滅すれば、滅するだけで、自己存在性を持たない、空である、…」と著述する。広範な経典の読み込みに裏付けられた明晰で簡潔な論述に、著者の研究者としての大きさを感じました。2021/07/24

chang_ume

10
なぜ興福寺阿修羅は憂いているのか。なぜ練行衆の懺悔が東大寺二月堂修二会の主体なのか。これらは全て、なぜ祈るのかという命題に収斂していき、彫刻・建築・作法など仏教文化を構成する諸要素を規定していく。なかでも「廻向」。現代では故人供養の意味合いに近いが、そもそもなぜ私の祈りが貴方の救いになるのか。そこには「転換」のメカニズムが働いていた。小乗から大乗へ。互いの関係性によって存在の本質を説く縁起説から、不二の思想「空」を媒介に、古代インドの戦乱の中で生まれた救済を理解する。京都寺町・其中堂書店の紹介から。良書。2021/07/31

moonanddai

10
主題は2つ。まずは仏教の起源。もちろんブッタなのですが、これが仏教となっていくのはペルシャとゾロアスター教が「源泉」だとなる。これはユダヤ教もキリスト教も同様で、幾多の共通性を持つのはこのためとか。そしてそこから生まれた大乗仏教。これは「利他」を旨しますが、その理論的根拠としての「廻向」が2つ目の主題。廻向とは、弥陀あるいは有情の善業を他人に振り向けることとなるらしい。つまり、他人にすれば「他力」となり、これが(我がW)浄土教となるという。これに「空」といったことなどが絡んできたりするので、少し難しい。2021/06/30

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