出版社内容情報
薬丸 岳[ヤクマル ガク]
著・文・その他
内容説明
妻は殺された。生後五ヵ月の娘の前で。しかし犯人は十三歳の三人の少年だった。「逮捕は、されません」。罪から逃れた彼らを殺してやりたい。被害者の夫、檜山はそう思いながら生きてきた。そして四年後、かつての「少年B」が殺された。罪と罰。贖罪と更生。少年たちの闇と自身の闇に向き合う、感動のミステリー。
著者等紹介
薬丸岳[ヤクマルガク]
1969年兵庫県明石市生まれ。2005年に『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。2016年、『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞、2017年、「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミニたま
37
何というか、スゴい!隅々まで、意味を持たせてある。長く読み進めて行くと「あの部分にそんな意味があったのか…」の連続。「えっ?この人とあの人はそんな風に繋がってたの?」の驚きが、すべて 解決したかに見えた最後の場面まで。推理小説好きな人なら気づいたかも知れないが…。少年法に守られた加害者の本当の意味での贖罪について、初めて考えさせられた。著者の考えもしっかり反映されている。解説を読んで、本書が江戸川乱歩賞選考において、ぶっちぎりの強さであったことを知った。ものすごく納得である。読めて良かった。お勧め!2023/07/08
ちゅんさん
37
知人のおすすめで。普段の自分だったら手に取らなかっただろうが読んでみるとすごく読みやすくてミステリとして面白かった。少年法、少年犯罪、贖罪とはなどいろいろ考えてしまう。2023/05/24
ほんた
35
かつて自分の妻を少年たちに殺害された貴志。一人娘を養いながら生活してしました。しかし疑問に思う。なぜ妻は殺害されなければならなかったのか。そして少年たちはなぜ裁かれないのか。「少年法」について考えさせられる作品です。 https://hontablog.com/天使のナイフ2023/06/30
エル・トポ
17
少年法について。犯罪被害者の遺族の怒り・寂寥感。意図せず殺人を犯してしまった未成年のその後の、やり直しの人生。途中「これはどうやって?無理でしょう?」と思ったことも、最後にはしっかりと回収。滝沢の妻の現状、桧山が愛美を優先したことによって疑いから逃れたエピソードが救い。昔の新聞記事の、事件に関する報道が身も蓋もない。私たちが報道で知る事のできる事は、本当に僅かだ。様々な角度から少年犯罪について描かれた力作。2024/09/30
カナティ
9
★★★★★2024/12/21
-
- 和書
- 象徴のうた 角川新書