内容説明
いかにして中国は“帝国”になったのか?牧野の戦い、三監の乱、宋襄の仁、城濮の戦い、柏挙の戦い、晋陽の戦い、長城の戦い、馬陵の戦い、隗より始めよ、胡服騎射、長平の戦い、陳勝・呉広の乱、白登山の戦い、呉楚七国の乱…群雄割拠の戦乱から「中国」完成までの壮大な戦争スペクタクル。最新の研究成果を反映した決定版!!
目次
序章 戦争の起源
第1章 殷王朝―旬に憂い亡きか
第2章 西周王朝―溥天の下、王土に非ざる莫し
第3章 春秋時代―「国際秩序」の形成
第4章 戦国時代―帝国への道
第5章 秦漢王朝―「中国」の形を求めて
終章 「中国」の行く末
著者等紹介
佐藤信弥[サトウシンヤ]
1976年、兵庫県生まれ。関西学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得満期退学。博士(歴史学)。現在、立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所客員研究員、大阪府立大学客員研究員。専門は中国殷周史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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榊原 香織
66
読み易くまとめてある。 各章の最初に、出来事、人物が簡単にまとめてある。 殷~漢成立まで。 2021年3月刊行 ”キングダム”(未読)ファン狙いらしい 紀元前の出来事でも、文字資料があるのがさすが中国2021/12/16
サアベドラ
39
先史時代から漢の武帝までの中国の歴史を、戦争とともにたどる新書。2021年刊。著者の専門は殷周史。『戦争の~』という題名だが、戦争にフォーカスした歴史というより、いくつもの戦争を経ることによって古代中国が「中国」という政治的枠組みを形成していく歴史が記述されている。そのため軍制や軍事技術といった軍事史寄りの内容は最低限といった感じ。扱っている時間が長いためか全体的に駆け足で、特に春秋戦国時代の細かい内容はあまり追いきれなかったが、著者の専門である殷周を中心とした新史料を反映した箇所は楽しめた。2021/07/10
Book & Travel
36
このところ歴史物は日本史中心の読書だったが、今年は元々好きだった世界史を改めて読んでいきたいと思い、まずは中国古代から。本書は新石器時代から殷、周、春秋、戦国、秦、漢までの時代を、戦争と軍事を軸に辿っていく。様々な作品の舞台になっている時代だが、本書でも宮城谷作品や漫画「キングダム」、中島敦の「李陵」などに触れられ、どの時代のどの国の話なのか、頭の中で繋がったのが良かった。甲骨文字や金文で解る殷周王朝の姿には歴史のロマンを感じる。諸侯らの国内のせめぎ合いに加え、狄など周辺勢力も関わる所も奥深さを感じた。2022/01/26
鐵太郎
26
「戦争の」と銘打って描いた古代中国史。扱う時代は先史時代から殷王朝、西周王朝、春秋時代、戦国時代、秦帝国の中国統一と滅亡、楚漢戦争、そして漢帝国と匈奴の戦いまで。戦争を中心に語っているように見えて、歴史の故事の新たな異説とかトリビアがちりばめられ、面白い。ちなみに漫画「キングダム」がたびたび引き合いに出されるが、あの漫画の歴史認識はどうかと思うのでちょっと鼻白んだけどそれはそれ、か。2021/07/01
サケ太
24
非常に興味深い。「中国」形成史を古代の戦争とともに追っていく。殷の時代における戦争。武器や騎兵の有無について提示された事については今後の研究が楽しみ。女性が出兵していたというのは知らなかった。「中国」という意味の変遷。「華夷思想」の出現。“武”という言葉の意味から見る古代の人々の戦争観。戦争におけるルールの存在やそれを変化させる様々な思想の出現。軍事において呪術的な部分から既に脱しようとしているのは面白い。「胡」と呼ばれた遊牧民の存在が「中国」を形成していった過程を追えたのがありがたい。2021/03/23
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