内容説明
子犬たちを連れ去り毛皮のコートにしようとしたクルエラ。なぜ彼女はこれほどまでに毛皮に取りつかれ、悪行を企てるようになったのでしょう?裕福な家庭に生まれながらも母親の愛情に飢えた少女時代。寂しさを埋めるかのように、不器用な友情や結婚で幸せを手に入れようとしますが―。小さなボタンのかけちがいが破滅をまねく、恐ろしくも切ないヴィランの物語―!小学中学年から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
銀華
3
何故クルエラは毛皮コートを固執したのか、彼女の生涯と求めていたものとは――実写映画とは別物。辿った道の一つとも言える。周囲の人間に恵まれているのに、求めている相手からの愛情を貰えず、ひたすら振り切れずにいるのは一途なのか愚直なのか。それでも憎からず思えるのは人間らしく思えるからだろう。どの人間ももう一歩足りなかったのかなと思うぐらい、ハッピーエンドに辿り着かなくってもどかしかった。後書きも本人から聞いた話を小説に書き起こしている体なのは面白かったし、少し明るい未来が見えるようになったのは良かったです。2021/06/04