内容説明
最愛の娘が大学のキャンパス内で自殺をした。薬学部教授の大日方敏夫は、娘の千佳が死を選ぶはずがないと真相を探る。千佳は生前、母である優子に、付き合っている人がいると打ち明けていた。しかし、相手の詳細は知らされておらず、ミステリーの文学賞に応募していることだけを伝えていた。敏夫は付き合っていた相手が殺人犯ではないかと疑い、遺伝薬理学の知識を使って犯人を探す―。第13回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。
著者等紹介
平野俊彦[ヒラノトシヒコ]
1956年栃木県出身。東京薬科大学卒業後薬剤師となり、薬学博士を取得。東京薬科大学薬学部臨床薬理学教室教授。古今東西のミステリーを愛読し、2016年より著作活動をはじめ、2020年、本作で島田荘司選第13回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aquamarine
83
第13回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。娘を自殺に見せかけて殺された大学教授が犯人捜しをするミステリ。著者が薬学部教授で、薬学部研究室を舞台に描いていて、専門的部分もありますがわかりやすく、意表をついた密室トリックは楽しめました。主人公が犯人捜しのために起こした行動が突飛に思えたのと、新人作家さんだからなのでしょうが、文章が不自然に感じたり、読みにくかったりするのが残念でした。2021/05/12
fwhd8325
79
先日読んだ湊かなえさんの「ことば結び」で紹介されていました。特別新鮮さは感じませんでしたが、オーソドックスなスタイルのミステリは、読み応えを感じました。昔のように2時間ドラマが全盛であれば、間違いなく映像化されていたでしょう。著者の専門分野だけに随所に強いこだわりも感じます。2022/12/31
さっこ
76
一人娘が大学構内で首つり自殺をした。殺人事件に捜査は切り替わり大学教授である父親が真相を探る。言いまわしや文章にどうにも馴染めなくてトリックだとかよく頭に入らなかった。2021/08/04
ナミのママ
64
第13回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞。時系列に進む構成で読みやすい。それだけに説明調な部分は読み飛ばしてしまった。作者は60歳代の薬学部教授。この作品も薬学部が舞台でキャンパスや実験室の様子などリアルに感じられた。作品の主人公は薬学部教授の大日向。同じ大学に在籍していた一人娘が学内で自殺してしまう。納得できない大日向と悲しみに沈む妻。他殺だと知り数年かけて犯人探しと復讐を始める。全体に目新しいものは感じなかったが読みにくいわけでもなかった。2021/05/03
さっちゃん
59
一人娘を自殺に見せかけて殺された薬学部教授の大日方は、犯人に復讐するため罠を仕掛ける。スケールの大きな罠、密室の謎などはひと昔前の本格のようで(褒めてる)、いかにもこの賞の受賞作らしい。テンポも良く専門的な話も詳しい説明があって分かりやすい。ただ、娘を殺された父の言動がどこか他人事のようで人間臭さが感じられず、証拠を見つけたときの行動からは傲慢さすら感じて好きになれなかった。母や瀬川などはそうでもないのだけど。あとオチ(娘と犯人の関係)もちょっと💦。二つ目の密室のトリックは素直に驚いた。こういうの好き。2021/04/11
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- 和書
- 男は見かけで選びなさい