内容説明
南極遊覧中のチャーター機がシステムダウンを起こし不時着。添乗員の望月拓海は、乗客のランディ・ベイカーと物資を探しに「到達不能極」基地へ向かう。そこは大戦中、ナチスが極秘実験を行なっていた基地だった―。過去と現代が大胆に交錯する、圧倒的スケールの第64回江戸川乱歩賞受賞作。『間氷期』併録。
著者等紹介
斉藤詠一[サイトウエイイチ]
1973年、東京都生まれ。千葉大学理学部物理学科卒業。2018年、『到達不能極』で第64回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おかむー
67
南極とナチスの遺産とSFと言う組み合わせはそこそこありがちではあるけれど、だからつまらないとはならないのは著者の上手さか。『よくできました』。現代の南極で突如始まる通信の断絶、二次大戦末期のマレー半島・ペナン島の航空訓練生が参加する秘密任務。過去と現在、ふたつの物語が極寒の極地で交わる。正直なところ展開にも仕掛けにもこれといった意外性はなく結末も予想できる範囲にとどまるけれど、停滞なくサクサクとページが進む読みやすさに好感がもてる。半面、クライマックスでの危機感と盛り上がりがイマイチなのが惜しいところ。2021/05/23
k5
62
タイトルのカッコよさ、南極という極限状況、そしてメカ、メカ、メカ。。。王道の冒険小説を堪能しました。序盤、南極にツアーガイドとして参加する拓海、勤めているメーカーの派遣で南極に赴任になる伊吹など普通すぎる登場人物と、非日常感の塊のような南極の環境の対比が最高すぎます。そしてもう一方の線としてプロットを形成する1945年パートの方は、ちょっとベタすぎるかなあ、と思うのですが、一式陸攻が強すぎるのでよしとしましょう。冒険小説の再度の盛り上がりを寿ぎます。しかし謎の言葉がロシア語だと、当方読めてしまうの。。。2022/01/04
Nao Funasoko
28
ミステリ、純愛、SF、冒険、オカルト、ミリタリー、、、様々な要素盛り沢山にも関わらず破綻することなく上手くまとまっている。映像化されやすそうな作品。楽しめた。2021/02/08
アオヤマ君
17
南極はたぶんすごく寒いよねー南極を舞台に第二次世界大戦時の秘密作戦パートと現代の遭難サバイバルのパートが交互に展開する臨場感(寒さ)溢れて熱くなる物語。冒険して、SFっぽくて、アクションしてても、ラブストーリー。読後感は分かれるかも…だけど。行ったことのない場所や時代にスッと連れて行ってくれた物語、楽しめました。スピンオフの「間氷期」も淡々とイイ。 2022/12/23
スプリント
17
予想外な展開に引きこまれたが 若干、予定調和なところがあり、終盤も大どんでん返しもなくあっさりと終わった感が強かった。2022/03/12