出版社内容情報
狂乱のバブル経済崩壊後の「失われた20年」のさなか、日本中の不良債権取り立てに奮闘する国策会社=整理回収機構。そこで働く面々は、その多くがバブル崩壊で破綻した金融機関の出身者たちだった。借り手の側から取り立てる側へ――将棋の「奪り駒」のように回収の最前線に打ち込まれた者たちは、バブル経済に踊った怪商、借金王、ヤクザらと対峙し、でジワジワと追い詰めていく。泥沼の債権回収に奮闘した、男たちの物語。住専こと、住宅金融専門会社7社は、バブル崩壊により、6兆4000億円にのぼる巨額の損失を負った。7社はいずれも大手銀行、証券、生保などを母体に設立されたが、80年代末の狂乱のバブル時代、母体行が融資に尻込みした「バブル紳士」たちに巨額の融資を行い、その多くが回収不能となり焦げ付いた。政府は6850億円の公的資金投入を決めるが、これが世論の強烈な反発を招く。自民党・橋本龍太郎政権は「住宅金融債権管理機構」を設立し、社長に「平成の鬼平」と呼ばれた中坊公平元日弁連会長を据えた。住専各社から譲渡された不良債権を、できる限り回収することを目指す、「バブルのしんがり」たちの活動は、こうしてスタートしたーー。文庫版のための追補「トッカイ」とは何だったのか――大蔵省元銀行局長の証言
内容説明
名作『しんがり』、『石つぶて』に続く、清武ノンフィクションの傑作!バブル崩壊後、残された巨額の不良債権。銀行も、そして政府もたじろいだその回収にあたったのは、中坊公平率いる住宅金融債権管理機構、のちの整理回収機構の面々だった。そしてその奮闘は、いまなお続いている―知られざる「20年戦争」驚愕と感動の物語。
目次
序章 怪商とあらくれ
第1章 取り立て前夜
第2章 奪り駒たち
第3章 悪戦が始まった
第4章 不良債権は逃げている
第5章 トッカイがなんぼのもんじゃい
第6章 容赦なき回収は終わるのか
第7章 ミッシングリンクをつなげ
第8章 最後の闘い
終章 勝ったのか
文庫版のための追補「トッカイ」とは何だったのか―大蔵省元銀行局長の証言
著者等紹介
清武英利[キヨタケヒデトシ]
1950年宮崎県生まれ。立命館大学経済学部卒業後、’75年に読売新聞社入社。青森支局を振り出しに、社会部記者として、警視庁、国税庁などを担当。中部本社(現中部支社)社会部長、東京本社編集委員、運動部長を経て、2004年8月より読売巨人軍球団代表兼編成本部長。’11年11月、専務取締役球団代表兼GM・編成本部長・オーナー代行を解任され、係争に。現在はノンフィクション作家として活動。著書『しんがり―山一證券最後の12人』(講談社文庫所収)で’14年度講談社ノンフィクション賞、『石つぶて―警視庁二課刑事の残したもの』(講談社文庫所収)で’18年度大宅壮一ノンフィクション賞読者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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