- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > 教養
- > 講談社ブルーバックス
出版社内容情報
鈴木 宏昭[スズキ ヒロアキ]
著・文・その他
内容説明
見ているはずのものが見えていない。確かだと思っている記憶が違っている。後から考えると不思議な判断間違い。―誰もがよく感じる、このような認識のずれは、なぜ起こるのか、そのメカニズムを詳しく解説!
目次
第1章 注意と記憶のバイアス―チェンジ・ブラインドネスと虚偽の記憶
第2章 リスク認知に潜むバイアス―利用可能性とヒューリスティック
第3章 概念に潜むバイアス―代表性ヒューリスティック
第4章 思考に潜むバイアス―確証バイアス
第5章 自己決定というバイアス
第6章 言語がもたらすバイアス
第7章 創造(について)のバイアス
第8章 共同に関わるバイアス
第9章 「認知バイアス」というバイアス
著者等紹介
鈴木宏昭[スズキヒロアキ]
青山学院大学教育人間科学部教育学科教授。博士(教育学)。1958年生まれ。東京大学大学院単位取得退学。東京工業大学助手、エジンバラ大学客員研究員などを経て、2009年より現職。認知科学が研究領域であり、特に思考、学習における創発過程の研究を行っている。日本認知科学会フェロー。人工知能学会、日本心理学会、Cognitive Science Society各会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 4件/全4件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろき@巨人の肩
108
認知バイアスとは、人間が生き延びるために必要な思考習慣「ヒューリスティック」の負の側面。ヒューリスティックにより、生命の危機に対して経験則をもとに迅速に判断してきた。これまでは認知バイアスが命取りになることはなかったが、情報が氾濫する現代社会においては、誤ったヒューリスティックにより、致命的な意思決定のミスを犯しかねない。また、言語、創造、共同という知的活動においても、認知バイアスが大きく影響しているという研究は非常に興味深かった。「脳の奴隷」とならないためにも、無意識を意識することが大切である。2022/10/03
breguet4194q
72
バイアスというものが、良くも悪くも人の行動や考え方に影響を与えている事が、詳細に説明されています。(全編通して考えると、残念ながら悪い方が多いように思います。)今話題のAIなど、今後社会が直面する問題にも、正視眼で論陣を張っており、個人レベルでどういった姿勢であるべきか、丁寧に書かれています。各章末に参考文献が掲載されておりますので、更に深めて学びたい方には良いと思います。2021/05/17
tamami
68
認知バイアス:偏見や先入観などにとらわれて、気づかないうちに思い込みや勘違いをしてしまう(本書帯より)について、様々なデータや心理学実験を通して、そのような行為が何故起きるのかを検証し、気をつけるべきことを例示する。自分の行為は全て自由意志による、と思っている向きには衝撃的な内容かもしれない。人間の脳が、自然の中で何百万年の歴史の過程で作られたことを考えれば、現代の生活環境の中では無理もない話だろう。しかし、日常では、精々そういうこともあるかも知れない、位に割り切って生活していく方が気楽に生きられるかも。2022/10/06
Koichiro Minematsu
63
認知バイアスは、時に人を過剰に反応させてしまった結果、困ったことが起きてしまうが、本書では認知バイアスは人間の本能でも、生得的な性質でもないという。それは文脈によってバイアスになったり、私たちの支えになったりしてくれるものと締めくくる。じゃあどうしたらいいのか。将来起こる可能性に対して、事前に準備するのは困難な時代になっている今、人間の認知をプリコラージュする。いいアイデアと思います。そんな使い手になりたい。2021/02/09
なっぱaaua
60
「認知バイアス」という難しいテーマにも係わらず筆者の書きぶりと軽いジョークが上手でとても読み易く分かり易かった。バイアスってネガティブな要素だけではないというのが、新たな気付きとなった。コロナ禍によるいろいろな出来事や先日のアメリカ大統領選とかを見ていて、人間ってバカだなって感じたのもバイアスなんだよね。言語は絵を下手にするとか、将来のことは予測出来ないのであり合わせのもので凌ぐしかないとか新たな発見が多数あったが、最大の驚きはブレーンストーミングが有効であるという研究が一つも無いという事。マジで…。2021/03/18