内容説明
幕閣では、無役の名門・酒井家の処遇が取り上げられ、江戸に滞留中の加賀藩宿老・本多政長と留守居役の数馬にも影響が及ぶ。本多家に敵対してきた老中・大久保加賀守は遺恨を晴らすべく、配下に密命を下す。加賀の前田家では、政長の嫡長・主殿が、裏でうごめく一党のあぶり出しを図る。
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年大阪府生まれ。大阪歯科大学卒。’97年小説CLUB新人賞佳作。講談社文庫の「奥右筆秘帳」シリーズは、「この時代小説がすごい!」(宝島社刊)で、2009年版、2014年版と二度にわたり文庫シリーズ第一位に輝き、第3回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞も受賞。歴史小説にも取り組み、『孤闘立花宗茂』(中公文庫)で第16回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
96
シリーズ16作目 2020.12発行。字の大きさは…小。加賀前田家の筆頭宿老・本多安房政長は、息子・本多主殿の補佐をさせるために瀬能数馬を、留守居役に抜擢して鍛えます。数馬の成長が楽しみな物語です。前作が最後に、琴の前夫が病没し、後を継いだ弟・紀州徳川家の家老・水野辰雄が琴を正室に迎えたいと。江戸城中で唐突に夫である数馬の前で、本田政長に紀州家の留守居役が言うくだりで終わっています。そして此度は、紀州藩初代藩主徳川光貞が動き出しそうですが、何か解らないままに、次作に続くようです。じれったいです。🌿続く→2021/02/27
とし
89
百万石の留守居役「乱麻」16巻。数馬の居る前で紀州徳川留守居役が、琴姫を正室に迎えたいと本多政長に直談判、本多家に敵対する老中大久保加賀守の陰謀も見え隠れ、色々ともつれはじめましたね、国元加賀では、政長の嫡男主殿が活躍しはじめましたね、次巻待たれます。 2021/03/20
ジュール リブレ
53
綱吉の頃。加賀藩江戸留守居役の瀬能数馬と義父の本多政長。二人を主人公に早くも16冊。さて次は何処へ。2021/01/24
baba
31
金沢では留守を預かる本多家嫡男の主殿が悪人退治に乗り出す。江戸では紀州藩の留守居役から数馬は琴に再度嫁いでほしいと無理難題。その中でいつも颯爽としている本多政長が素敵。主役が変わったように、魅力的。2021/09/26
さく
19
本多主殿が本当の力、姿を見せる。琴と同じく、しっかりと本多の生き様を心得て、さらには周りに見せない術で、敵を欺く。前田家は盤石。江戸でも様々に罠が仕掛けられ、薙ぎ倒し、とうとう瀬能本家筋にまで。数馬はいつも渦中で、一生懸命。あっという間ににいつも読み終わります。面白かったです。2021/08/17